「労働条件・介護保険改善して」/ ホームヘルパーが全国集会
11月30日、東京で、中央社保協が呼びかけ「ホームヘルパー全国学習交流集会」が開かれました。
介護保険の3年目、ヘルパーの専門職としての役割が社会的に注目されている一方、労働条件は劣悪で、ヘルパー同士のつながりや、研修の機会が十分ではあ りません。集会はこうした状況の下、各地のヘルパー活動を交流し、専門性を高め、労働条件と介護保険制度の改善を全国にアピールすることが目的です。
室生昇中央社保協代表委員があいさつ、石田一紀長野大学教授が講演、各地から12人が発言しました。200人を超えた参加者は、集会アピールを確認したのち、障害者体験の車イスを先頭に都心をパレードしました。
「駐車許可証」協力して発行させた
北海道民医連のヘルパーステーションかりぷの笹原裕美さんは、札幌地区で「ヘルパーステーションの所長同士のつながりから連絡会を結成して、共通の課題にとりくんだ経験」を発言。
「ヘルパーに安心して働いてもらいたい」と願う所長たちの発案で、介護中の駐車許可を求めて、01年9月、区、社協、警察署などに要望書を提出。懇談会 を重ね「ヘルパーの仕事は医療と同じく利用者の生活に欠かせない」ことに理解を求め、02年3月に駐車許可証を手にしました。
この運動にとりくみながら、運営や困難事例の情報や経験交流をつづけ、7月に事業所間の利害を超えて困ったときには相談する「連絡会」を結成。いま12 事業所中10が加入し、02年10月には「広げようヘルパーの輪in厚別」を開催するなど、元気に。
笹原さんは「連絡会ができる前は、利用者さんが事業所を変えると言ったら不快だった。いまはあの所長さんの事業所に行くんだなと思える」という声を紹 介。失業中の辛さから老いた両親に暴力をふるってしまう息子が、ヘルパーをみて優しくなった事例をあげ、ヘルパー活動は「困難に立ち向かうための人の輪を つくる」と話しました。そして介護保険では「移動時間と寒冷地加算」の保障を求めたいと訴えました。
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そのほか「京都ヘルパーネット」の活動で、3000人のヘルパーが「登録ヘルパー」を脱し、労災と年休のある 「契約ヘルパー」になった報告、介護タクシーの活動で仕事おこしをしている報告、障害者団体から「障害者支援費」の現状とヘルパーの活動に期待する発言が 続きました。労基所の労組から「労災保険適応になる基準について」アドバイス的発言もあり、高齢者・障害者の社会保障と労働者の権利は表裏一体であること を示し、連帯感にあふれた集会でした。
(民医連新聞2002年12月11日/1295号)