川崎問題の教訓学び職場で改善討議/ 山梨民医連
“川崎問題の教訓を学び、自己点検をすすめよう”の呼びかけにこたえ、職場や院所での討議がはじまっています。山梨でのとりくみをききました。(編集部)
山梨民医連では、県連医療活動委員会で「全職場で討議しよう」の呼びかけ文を発表し、県連事務局長が討論のポイントを示しました。「患者の人権を守る医療、安心・安全・信頼の医療・介護」の点検と討議を全職員に呼びかけています。
最初に、討議文書は職責者以上の人に配り、討議を呼びかけただけでした。県連の医活委員会で文書を読み合わせて「現場の実態に照らし、医療を見直すため にも、職員一人ひとりが読了し、討議することが大切ではないか」という声があがったことがきっかけです。
これを受けて、事業所・職場で読み合わせし、意見交換。「3回に分けて討議する」(甲府共立病院・医局)などの努力がはじまっています。
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石和共立病院では各職員から「受け止め」と「自分の職場と照らしての改善提案」という2項目について、感想を集めています。
看護部からは「組織の構造と危機管理、コミュニケーション、終末期医療について、現場の実態を振り返り、危機感を感じ、納得しつつ読むことができた」なといった感想とともに、以下のような提案が書き込まれています。
「カンファレンスの重視など当たり前のようだが、医師体制が困難だと言い出せなかったりする。職場のアンケートを実施し、医師に率直にものが言えている かどうかなど、直接伝えるシステムをつくったらどうか?」「友の会と共同の営みの視点から、日常診療の振り返りと改善を徹底。定期協議、苦情処理対応を、 該当職場だけの対応にとどめず、全職場で改善策を検討する必要がある」「患者家族との面談で、医療者側の意向だけを押しつけていないか、一例一例の振り返 りを行うこと、患者家族の意思表示に対する支援方法の構築など、インフォームドコンセントのガイドラインにそった学習と実践が必要」。
また、医局での1回目の討論では、組織図の項について議論。自分たちの病院の組織図を点検し、管理ルートと医療内容の指示系統が異なり、医学的管理が系統だってできていないことなど、現状での医療のやりにくさに話が及んでいます。
(民医連新聞2002年12月1日/1294号)