副作用モニター情報(188)
レベトール併用時は貧血にも注意
(2001年下期新薬のまとめ)
2001年下期新薬の報告で、レベトール(成分名:リバビリン)によるものと思われる副作用が報告されました。
レベトールはインターフェロンαー2bとの併用によりインターフェロン抵抗性とされるHCV遺伝子型1bかつ高ウィルス量のC型慢性肝炎患者に対しても 完全著効率を向上させるとして2001年12月に発売された薬剤です。治療終了後6カ月以上の持続的な血清トランスアミラーゼの正常化および血清HCVの RNA(リボ核酸)を陰性化させます。
今回報告された副作用の症状は、白血球減少、血小板減少、インフルエンザ様症状、吐気の一例です。インターフェロン単独でも比較的高頻度で起こる副作用 として知られていますが、しかしレベトールとの併用によってその作用が増強された可能性も否定できません。
レベトール単独でのデータはありませんが、インターフェロン単独時とレベトール併用時での副作用発現頻度の比較があります。白血球減少、血小板減少とも に発現頻度が上昇しており、さらに白血球減少については、低下の程度が大きいことが認められています。併用療法中のモニタリングは不可欠です。
その他、レベトール併用療法で発現頻度が上昇した副作用として、赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少などの貧血、発疹、脱毛、掻痒、ビリルビン血症、高尿酸血症などが報告されています。
なかでも貧血は、インターフェロン単独時2.6%からレベトール併用時には67.4%と高頻度に発現しています。併用時、ヘモグロビン値は、投与前値が 14グラム/dl未満の場合には一〇グラム/dl未満に低下する可能性が高くなります。投与開始後、早くて1週目から低下し始め、4週間で底値が見られる ので、投与開始後から4週間前後は特に注意が必要です。
(民医連新聞2002年11月11日/1292号)