「宣言」は今後の活動となる/ 兵庫・訪問看護ステーション友愛 日比優子(所長)
「医療・福祉宣言」を作らないといけないらしい…。ようやく動き出したのが昨年11月の職場会議でした。「誰のために、何のために、どんな思いでがんばっているのか」で意見を出し合いましたが、それを所長が文章にする段階からすすみませんでした。
今年2月全日本民医連総会に参加し、民医連の医療福祉宣言を一字一句まで討論している姿から、宣言の持つ意味や役割を学びました。何とかして自分たちの 活動の羅針盤を作ろう! と決意。ローテートで職場構成メンバーが変わったので、あらためて八月の職場会議で話し合いました。医療改悪が実施された場合、 地域での生活をどう守るか、訪問看護の役割は何なのか、など事例を通し自分たちの思いを出し合い、それを「キーワード」として文章化していきました。その 根底にあるものは、「訪問看護が好き!」という全員の思いでした。
やっとの思いで「宣言」が文章化できたとき、「あれだけの思いがたったこれだけ?」とあぜん…としました。その時気づいたのです。「宣言づくり」の最大 の目的は、文章にすることではなく、職場の中で自分たちの価値観や看護観を出しあい認めあう、そのプロセスなんだと。個々の仕事に対する姿勢があらためて 言葉で確認できたとき、スタッフひとりひとりが頼もしく感じられ、「宣言」が今後の活動の糧となることを確信しました。
できあがって、さあどこに掲示しようか…。こんなに愛おしい「宣言」は「飾るもの」ではありません。日常業務に忙殺される毎日のなかで、ふと自己を振り 返る意味で、トイレに貼りだしました(写真)。そのつどひととおり読んでしまうため、トイレ時間が多少長くなってしまいましたが。
次は、この「宣言」をどう名刺代わりに使っていくかが課題です。内外共に「生きた宣言」にするための方策を、頼もしい仲間と考えていきます。
わたしたちの医療・福祉宣言
“言わずして 何もおこらず 訪問看護が大好きなわたしたちは
♪医療の専門家として援助の選択 ♪社会のなかでその人らしく暮らすと言うこと “そのままだまっていては |
(民医連新聞2002年11月1日/1291号)