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民医連新聞

民医連新聞

副作用モニター情報(187)

増えるアクトスの使用副作用に改めて注意を

 (2001年下期新薬のまとめより)

 2001年下期新薬の報告で、今期最も多かった報告はインスリン抵抗性改善薬のアクトスによる浮腫でした。
 アクトスは2000年10月に緊急安全性情報が出されて以来、対象患者をしぼりかなり注意して使用されてきましたが、最近になって新たに採用される事業所もあり使用が増えつつあります。あらためて注意を喚起したい薬剤です。
 アクトスによる浮腫は、インスリンの抵抗性が改善される事でインスリンへの腎への直接作用が高まり、ナトリウム再吸収と水分貯留が起こるためと考えられ ています。心不全が増悪または発症する恐れがあります。そのため心不全の患者、心不全の既往歴のある患者は禁忌となっています。
 浮腫は女性に起こりやすく、発現時期は80%が4週目以降にみられ、部位は下肢、顔面に多く見られます。今回も14例中12例が女性で、不明5例を除く全てが4週目以降に発現したものでした。
 また、用量に比例して起こりやすくなるので、15mg/日より開始するのが望ましい。糖尿病性合併症がある場合には合併症を併発していない例に比べ浮腫 の発現が高い傾向にあるのでより注意が必要です。類似薬(トリグリダゾン)にて劇症肝炎の報告があるので、白目・皮膚が黄色くなる、吐気、食欲不振、全身 倦怠感、持続する発熱などの初期症状の確認と定期的な肝機能検査が必要です。

(民医連新聞2002年10月11日/1289号)