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民医連新聞

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医療改悪は、国民生活に耐え難い負担増を強いる

肥田泰全日本民医連会長が参院予算委で発言

 3月19日に行われた参議院・予算委員会の公聴会に、全日本民医連の肥田泰会長が公述人として発言。2002年度の医療関係の予算が国民と医療機関にどのように影響するかについて、資料を示し意見を述べました。

3割負担、保険料値上げは「耐え難い負担増」

 肥田会長は、まず健保本人3割負担について、1997年に2割負担が導入されてから、症状があっても受診しない 人が増え、有訴率と通院率がかけ離れていく傾向を示し、「3割負担になれば受診率がさらに低下し、かえって医療費を増加させ悪循環する」と指摘。また、保 険料の値上げについては、3割負担とのダブルパンチで「耐え難い負担増」と述べました。
 高齢者の医療費負担増の問題では、償還払い制度が大きな問題であるとし、「医療改悪」に対して、社保協が実施した署名ハガキで寄せられた痛切な声を紹介。

入院6カ月超への特定療養費導入はただちに撤回を

 また診療報酬の引き下げの問題では、「民医連加盟の200床以上病院で実際にあてはめてみると、4~5%の収入 減となった。これは全国の病院にとっても死活問題。とくに従来アメニティ部分を対象とすると説明されてきた特定療養費が、医療の本体である診療部分にも拡 大され、公的保険でみる範囲が縮小されることは大きな問題。6カ月を超える入院料を特定療養費とすれば、月に五万円もの負担増となり、入院を続けられない 人が続出する恐れがある。ただちに撤回すべき」と強調。

税金の使い方をあらため、社会保障充実を

 さらに本年度予算では、5500億円と見込まれる医療費国庫負担の当然増を2700億円に圧縮したことについ て、「安全・安心・信頼の医療からも逆行するもの、一方20%もの薬剤比率を先進諸国並の16%に低下させれば約1兆4500億円の財源が捻出できるし、 無駄な公共事業費を半減させればさらに多くの財源が生み出せる」と指摘。「?保健予防を重視し、病気の早期発見・早期期治療により重症化を防ぐこと。?国 民・患者負担を軽減すること。?高薬価を是正し、大型公共事業中心の財政運営を改めること、この三つを基本に予算を組み替えるべきだ」と述べました。
 続いて各党からの質問。自民党の木村仁議員が「社会的入院についてどう思うか。介護保険はビジネスチャンスだと思うがどうか」などと質問。肥田会長は 「『社会的入院』自体が、日本の社会保障政策の貧困さを示すもの。特養も老健も在宅サービスも不足。国の財政出動が必要だ。低い介護報酬のもとでは、ヘル パーが安心して働ける状況にすらない」と答えました。公明党の魚住裕一郎議員は得とくとして「小児科の診療報酬を引き上げたつもりだ」などと発言しまし た。肥田会長は「それは全体的に見ると小さくて、他の減収部が大きすぎるのだ」と一蹴。日本共産党の小池晃議員の質問に答えて、「高齢者は裕福だというの は全くでたらめで、これ以上の医療費負担をさせるのは問題。鈴木宗男事件のような腐敗した税金の使い方を一掃し、社会保障の充実を求めたい」と述べまし た。

(民医連新聞 第1272号 2002年4月1日)