最高の組織的到達点に確信をもち平和と福祉の国づくりめざし奮闘しよう
全日本民医連 第35回定期総会ひらく
ときは医療改悪反対のたたかいのまっただ中。「医療・社会保障の改悪を阻止し、平和と生存権を守り抜こ う」のスローガンが重みと輝きを増すなか、全日本民医連第35回定期総会が開かれました。開催地は北九州市・小倉。福岡・健和会の民医連的再建の姿を全国 の仲間に見せたいとの地元県連の思いのこもる設営です。総会の論議を通じて、深まる患者と国民の生活困難の実態、そのそばでともにたたかう民医連院所・職 員、共同組織の姿、それが国民的共感を拡げていることが明らかになりました。総会は3日間の討論の後、運動方針案と規約改正案、全日本民医連医療・福祉宣 言案、決算・予算案、特別決議などすべての議案を採択し、新たに選出された役員とともに一段と大きなたたかいに向け決意を固めあいました。
第1日
オープニングは「福岡県うたごえ協議会」による「花を贈ろう」と「地底の歌」。開会の辞を千葉周伸副会長が述べ、峯田あけみ(北海道)・坂本博道(奈良)・三宅昌(福岡)の3氏を議長団に選出しました。
歓迎のあいさつで熊谷芳夫福岡・佐賀民医連会長は、健和会の再建を報告し、総会への期待を述べました。
各総会役員の選任の後、高柳新会長が理事会を代表してあいさつ、参加者とともに2年間の物故者56人に対して黙祷をささげました。また4人の来賓があい さつ、臨席された他の来賓・名誉役員・顧問が紹介されました。各界から寄せられた90通を超えるメッセージのうち、日本患者家族団体協議会と保団連のメッ セージが紹介されました。
総会議案の提案は、運動方針案を前田武彦事務局長が、医療・福祉宣言案を藤末衛理事が、役員選出案を水戸部秀利副会長が、規約改正案を永田勝美事務局次長が行いました。
午後は2人の来賓あいさつに始まり、大河原貞人事務局次長が決算と予算案を提案。会計監査報告のあと討論に入りました。
大運動のとりくみと成果、薬剤・薬害問題、医療経営構造の転換、医療の安全性のとりくみ、基地・有事法制化の問題など運動方針について24人が、医療・ 福祉宣言について3人が発言し、予算・決算で3人が質問しました。残った15本の発言を含めた討議は翌日の分散会に付託されました。
第2日
市内7会場で15の分散会が行われ、活発な各地の実践報告で方針案を深めました。リストラ・工場閉鎖・ホームレ ス問題など深刻化するくらし、国保の短期証・資格書発行をめぐるたたかいなどが各分散会に共通する発言でした。たたかいの中で共同組織との結びつきを強 め、青年職員が育っている経験。医療・経営構造の転換をすすめるなかで地域や福祉関係者とのつながりをひろげた経験。中堅医師の退職を機に研修を充実し医 師労働を改善した経験。介護系職員の労働条件の格差など自らの悩みなども率直に出しあいながら討論がすすめられました。
第3日
本会議を再開し、日生協医療部会、全国ハンセン病療養所入所者協議会からのメッセージが紹介され、前日の分散会 報告を3人の代議員が行いました。また21日の本会議、2日の分散会で出された運動方針案に対する修正・補強の意見と質問に対する理事会答弁を前田事務局 長が、医療・福祉宣言の修正提案を藤末理事が行いました。引き続く討論では、小池晃理事(参議院議員)ほか6人が発言し、理事会から総括答弁が行われまし た。代議員総数901人中893人が採決に参加、第3号議案(予算案)と第6号議案(医療・福祉宣言案)は賛成多数、他の各議案は満場一致で採択されまし た。また新役員が圧倒的多数で信任されました。開票を待つ間に、30年勤続者681人、20年勤続者2032人、10年勤続者2850人が表彰されまし た。また第4回民医連表彰の7つの論文・書籍が紹介され、各代表者に高柳会長から賞状と記念品が手渡されました。最後に特別決議を拍手で承認し、退任理事 を代表して山田駒平理事が、新役員を代表し肥田泰(ゆたか)会長があいさつ、原和人副会長の音頭で「ガンバロウ」の拳をつきあげ、閉会しました。
(民医連新聞 第1270号 2002年3月11日)