故・久保山愛吉さんの遺言「原水爆による被害者は、わたしを最後にして下さい」
熱い願いあつめ3・1ビキニデーひらく
――核兵器も戦争もない21世紀を――
ビキニ環礁でのアメリカの水爆実験による第五福竜丸をはじめとする多くの漁船とマーシャル諸島の人びとの被災から48周年の3月1日、「核兵器も戦争もない21世紀を」の熱い願いを一つに、第五福竜丸の母港・焼津に国内外から、2000人の参加者が集いました。
全体集会は、原水爆禁止世界大会実行委員会と3・1ビキニデー静岡県実行委員会が主催。あいさつにたった3・1ビキニデー静岡県実行委員会代表委員の杉 山秀夫氏は、久保山愛吉さんの「原水爆による被爆者は、わたしをさいごにしてください」の遺言を実現をする道は「核兵器の使用を禁止し、核兵器全面禁止・ 廃絶を実現する道にほかなりません」と日本政府に対し核兵器廃絶の立場に立った責任ある行動を求めました。
来賓として、地元・焼津市の戸本隆雄市長が参加し、米英による共同核実験についてふれ、「核兵器廃絶をの願いを踏みにじるもので危機感と強い怒りを感じ る」と批判しました。被爆地からは広島、長崎の両知事、両市長ほか全国の自治体から188通のメッセージが寄せられました。
海外からは米国のジョセフ・ガーソン、マーシャルのピーター・アンジャインの両氏があいさつ。その後、第五福竜丸の2人の乗組員の証言やマーシャルに派 遣されている日本代表団の首都マンジェロからの中継も行われました。第五福竜丸の元乗組員の大石又七さんの衛星電話回線を使った映像と音声が会場内に流れ ると、大きな拍手と歓声がわきおこり、同氏は核兵器のない二一世紀実現へともにがんばろうと呼びかけました。
2日目の3月2日は八つの分科会に分かれ討論が行われました。
このうち第六分科会「被爆者、世界の核実験被害者との擁護・連帯を強めよう」では、全日本民医連反核平和委員会の小峯貴之委員が「アメリカの報復戦争の 拡大と核兵器使用を許さない世論と運動を大きくひろげ、被害の実相を知り、それを広げていくことがますます大切になってきている。草の根の運動、それを保 障する原水協組織の強化を含め活発な討論を期待します」との問題提起を行いました。被爆者らが発言し、被爆者手帳を交付しない政府の対応などが生なましく 報告されました。
この後行われた全体集会には、1100人が参加し、草の根から核兵器のない平和な世界をつくろうと交流や討論が行われました。
鐙(あぶみ)史朗 全日本民医連事務局
(民医連新聞 第1270号 2002年3月11日)