【声明2025.03.10】政府は高額療養費制度の負担上限額引き上げの実施見送りでなく白紙撤回の決断を行え
2025年3月10日
全日本民主医療機関連合会
会長 増田 剛
(公印省略)
2025年3月7日、石破首相は制度見直しの凍結を求める患者団体との面会後、高額療養費制度の負担上限額引き上げについて、本年8月実施予定の定率改定を含めて、制度の「見直し全体について実施を見合わせる」と3度目の見直しを表明した。「事実上の引き上げ凍結」との報道もあるが、石破首相は2026年度以降の制度のあり方については、今秋までに再検討し決定すると表明しており、制度の見直しそのものは撤回していない。8月実施見送りにとどまらず、改めて制度見直しの白紙撤回を強く求める。
そもそも国会に、これほどの患者負担増を強いる制度見直しを当事者の声を聞かないまま安易に提案し、二転三転せざるを得なくなるような事態を招いた石破内閣、与党の責任が問われる。また、少子化対策、現役世代の負担軽減のためと称して、その財源を、若い世代、現役世代も多く含むがんや長期療養患者の負担増に求めること自体、従来の世代間の分断のみならず、健康な人びとと現在療養中の人びととの間に分断を持ち込み、健康の自己責任論をいっそう強めることに通じる重大な問題である。物価高騰、雇用の不安定化のもとで、高額療養費制度のさらなる拡充によって、全世代のいのちを守るセーフティネットとしての役割を発揮することこそ求められている。
全日本民医連は、大幅な負担増を強いる制度見直しそのものを全面的に中止し、高額療養費制度の負担上限額引き下げの為に奮闘するものである。
以上
(PDF)
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