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声明・見解

声明・見解

【要望書2024.01.16】能登半島地震における被災者医療と被災者支援に関する緊急要請書

2024年1月16日

内閣総理大臣 岸田 文雄 様
厚生労働大臣 武見 敬三 様

全日本民主医療機関連合会
会長 増田 剛

 能登半島地震の甚大な被害への貴職のご奮闘に敬意を表します。
 本年1月1日に震度7を記録した能登半島地震により、多くの家屋が倒壊し、津波や大規模火災など、甚大な被害をもたらしています。多くの被災者が、ライフラインが途絶え、寒波が押し寄せるなか、極めて厳しい環境での生活を送られています。被災された方々の生命と健康を守るための医療提供体制の確保と、物的・人的支援は緊急の課題です。
 以下の通り、緊急要望書を提出します。早急の対応をお願いいたします。

要請事項

  1. 全ての被災者に対し、医療・介護サービスを受ける権利を保障すること。
    (1) 保険証の有無及び、被保険者資格の有無に関わらず、国の責任で入院時食事一部負担金を含め、一部負担金・利用料の免除をすること。
    (2) 保険証の再発行にあたっては、全ての被災者に正規保険証を発行し、短期保険証並びに資格証明書は発行しないこと。
    (3) 無保険者には、国民健康保険証を交付すること。
  2. 被災地域の医療機関の診療再開または継続するための支援を国の責任で実施すること
    (1) 被災地域の医療機関に対する医薬品・医療材料・食材など、医療サービス提供に必要な物資の供給・確保を国の責任で実施すること。
    (2) ライフラインが途絶している医療機関には、診療再開または継続するための自家発電、水、燃料等を供給し、一刻も早いライフラインの復旧に尽力すること。
  3. 避難所においては、被災者の健康並びにプライバシー等の人権に配慮した設置・運営及び環境改善を行うこと。
    (1) 国は直ちに、避難所を視察し、避難所における劣悪な環境実態を把握すること。
    (2) 感染防止対策を徹底し、感染を防止できる環境を可能な限り整えること。
    (3) 男女別トイレを設置すること。高齢者でも利用できる洋式トイレ、障害者用のトイレを早急に設置すること。
    (4) 間仕切りなどでプライバシーを確保すること、授乳室や女性用更衣室など、女性や子どもに配慮した環境改善を早急に実施すること。
    (5) 直ちに国の責任でダンボールベッドを確保し、不足している避難所に設置すること。
    (6) 避難所で暮らす被災者の声を聞き、不足している衣類・下着・靴下など、国の責任で早急に確保・供給すること。
  4. 震災で住まいを失った全ての被災者に対し、基本的人権である住まいを国の責任で保障すること。
    (1) 希望する全ての被災者が入居できる仮設住宅を、国の負担で設置すること。
    (2) 仮設住宅の生活は、できる限り短期間とし、恒久的な復興住宅を建設するなど、国の責任で希望する全ての被災者が安心して暮らせる環境を整えること
  5. 被災した地域住民の生命と健康を守るため、被災した医療機関および福祉施設等に対し、復旧・再建のための財政支援を早急に行うこと。
    (1)医療施設等災害復旧費補助金の対象を全ての民間医療機関に拡大し、補助割合を大幅に増やすこと。
    (2)災害復旧ための「医療貸付事業」について、融資の全期間を無利子とし、貸与限度額を大幅に引き上げること。
  6. 避難所に行くこともできない災害弱者(障害者、高齢者、子ども等)を早急に把握し、必要な支援を直ちに実施すること。

以上

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