【声明2023.12.15】岸田文雄首相の2024年秋に現行の健康保険証を廃止する方針表明に強く反対し、抗議する
2023年12月15日
全日本民主医療機関連合会
会 長 増田 剛
12日、岸田文雄首相は、マイナンバーのひも付けの誤りに関する総点検が完了したとして、健康保険証を予定通り2024年秋に廃止し、マイナンバーカードに一本化することを政府の総点検本部で表明しました。
全日本民医連は、まったく道理のない現行の健康保険証の廃止に強く反対し、抗議します。
今回、誤って登録されていた公的情報は15,907件で、このうち健康保険証が8,695件だったとしていますが、総点検といいながら、対象を限定し、ひも付け誤りを点検しただけで、マイナンバーとひもづいた個人情報のすべてに登録の誤りがないかを調べたものではありません。点検の対象も内容も不十分です。このような、その場しのぎの点検で健康保険証を廃止するなど、横暴と言わざるを得ません。
健康保険証廃止後は、マイナ保険証を持たないすべての人に資格確認書を交付するとしています。マイナ保険証の保有者には、「資格情報のお知らせ」を送付し、医療機関の窓口でマイナ保険証が利用できない場合に提示してもらうとしています。また、高齢者施設等への対応として、暗証番号が不要な顔認証カードを発行するとしています。
しかし、これらは、現行の健康保険証を存続すれば、いずれも不要であり、税金の無駄でしかありません。
現在、欠陥だらけのマイナ保険証に国民の不信が広がるなかで、保険資格の確認にマイナ保険証を利用する人の割合は5%未満まで減少していますが、医療現場では、マイナ保険証による資格確認に人手も時間もとられており、このまま、現行の健康保険証廃止を強行すれば、大混乱に陥ると強く懸念しています。
健康保険証は、国民皆保険制度の根幹です。財界の言いなりになって、国民の反対を押し切り、巨額の予算と人手をかけて、欠陥だらけのマイナ保険証に一本化するのは愚策です。現行の健康保険証の廃止は、「金による政治の歪み」を体現したものと言わざるを得ません。
全日本民医連は、今般の岸田文雄首相による現行の健康保険証を廃止する方針表明に強く抗議し、まったく道理のない、現行の保険証の廃止を中止・撤回するよう強く求めるものです。
以上
(PDF)
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