【声明2023.10.17】イスラエルとパレスチナ・ガザ地区での武力行為の即時停止を求める
2023年10月17日
全日本民主医療機関連合会
会長 増田 剛
10月7日から続いている、ガザ側からのロケット弾、イスラエル側からのミサイルの応酬は、未だ止むことがなく、双方の市民に多数の死傷者が生まれています。
ガザを実効支配するハマスの戦闘員がイスラエルに侵入、武力をもって攻撃し多数の犠牲者を出し、イスラエル市民、外国人、兵士を人質にとる暴挙を行いました。こうしたハマスの一連の暴挙に対し、イスラエルの首相は「戦争状態」とし、大量のミサイルをガザ地区に発射、国際人道法で禁じられている医療施設への攻撃も行われ、医療従事者も亡くなっています。
10月15日午後1:30現在(現地時間)、ガザでは2,329人が死亡、9,000人以上が負傷しています。51日間続いた2014年のガザ戦争時の被害者数を9日間で超え、まだ増加しています。イスラエルは空だけでなく陸や海からも攻撃を実施すると予告し、36万人もの兵士をガザ周辺に配置しています。
また、13日から引き続き、ガザの北部と中部からの強制的な退避勧告を出していますが、北部には700床以上の病院があり、南に向かう退避中の人々を乗せたトラック数台が空爆され、一瞬で70名が亡くなりました。
ガザ南部の病院はすでに負傷者であふれており、医療体制は崩壊の瀬戸際にあるもとで、国連が警告するように「100万人以上の人々を食料や水、宿泊施設のない場所へ移動させることは、危険であり、不可能」です。全く無謀な退避勧告は、さらにいのちを奪うことにしかなりません。
私たちは、世界の人々が、平和のうちに生存する権利を有することを確認した日本国憲法の理念を高く掲げ、「人類の生命と健康を破壊する一切の戦争政策に反対する」ことを綱領で謳っています。ハマス、イスラエル双方による市民の無差別攻撃は国際人道法違反であり、強く非難し、双方の武力行為の即時停止を強く求めます。
また、憲法9条を持ち、双方と歴史的、宗教的に中立的立場にある日本だからこそできる外交があるはずです。私たちは、日本政府に対し、一刻も早い停戦を実現するため、あらゆる外交努力をおこなうことを強く求めます。
今回の事態の背景には、イスラエルが国際法違反の入植を拡大し続け、攻撃を繰り返してきたことがあります。この不公正を改めていくよう国連をはじめ、国際機関が国際法に則り、対応していく事を望みます。
以上
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