【声明2023.08.04】資格確認書の有効期間の延長ではなく、現行の健康保険証廃止の中止・撤回を強く求める
2023年8月4日
全日本民主医療機関連合会
会 長 増田 剛
岸田首相は本日(8月4日)開いた記者会見で、2024年秋に健康保険証を廃止する方針を維持した上で、資格確認書の有効期間を1年としていたものを最長5年に延長する旨を表明しました。
相次ぐマイナンバーカードのトラブルと、極めて杜撰なシステムと運用が次々と明らになり、「現行の健康保険証の廃止」と、「マイナンバーカードの強制」への反対世論が日増しに高まる中、政府は方針変更を余儀なくされたことによるものです。
しかし、国民が求めているのは、現行の健康保険証の廃止を中止・撤回し、現行の健康保険証を残すことです。
7月1日~2日に行われたJNN世論調査では、今の健康保険証を来年秋に廃止する政府方針について、「廃止期限を延期」40%、「方針を撤回すべき」33%を合わせて73%に上っています。
これほどまでに強い反対世論の背景は、健康保険証を廃止して、任意であるはずのマイナンバーカードを事実上強制する愚策に対し、国民の強い不信感があるからです。また、医療や健康情報などのセンシティブ情報を杜撰なシステムのもと、信頼できない政府に預けることを懸念しているからです。
岸田首相は、資格確認書の有効期間を最長5年に延長とした上で、マイナ保険証のない人には、各保険者が本人の申請がなくても「プッシュ型」で交付すること等を表明しました。
しかし、野党からは、1年間の資格確認証の発行コストは会社員などの被用者保険で、年間約241億円も増えるとの試算結果も指摘されています。資格確認証は顔写真も入らず、現行の健康保険証と形状も機能は全く変わりません。現行の健康保険証を廃止する大義名分は完全に崩壊しています。
全日本民医連は、政府に対し、資格確認書の有効期間の延長のような小手先の対策ではなく、健康保険証廃止を中止・撤回し、健康保険証をこれまで通り、全ての国民に政府の責任で交付するよう強く求めるものです。
以上
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