【声明2023.05.02】衆議院での「出入国管理及び難民認定法改正案」の採決に強く抗議し、参議院での廃案を求める
2023年5月2日
全日本民主医療機関連合会
会 長 増田 剛
4月28日、「出入国管理及び難民認定法改正案」(入管法改正案)が衆議院法務委員会で立憲民主党と日本共産党の反対を押し切り、自民党、公明党、維新の会、国民民主党などの賛成多数により可決しました。私たちは、採決に強く抗議します。
現行法でも、難民申請中で仮放免中等の在留資格を持たない外国人は、医療を含めたあらゆる社会保障制度から除外され、なおかつ就労も禁じられていています。このため、病気になっても医療にかかることができず、命にかかわる危険性を常に抱えています。
全日本民医連で実施した「外国人医療に関わる事例調査」では、親族が目の前で殺害され、命からがら母国から逃亡し、来日して庇護を求めた外国人の難民申請が繰り返し認められていないといった事例が複数よせられています。
改正案では、国連からの国際人権法に反するとされた勧告(原則収容主義、無期限の収容、収容の判断に司法の判断がない等)が一切反映されていません。また、難民認定申請中の外国人に対し、3回目以降は申請中でも送還できるようにすることが新たに設けられるなど、非正規滞在者を強制的に送還する仕組みが盛り込まれ、国際法違反状態をさらに強化するものとなっています。
また、改正案は、「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする」と定めている日本国憲法98条第2項にも違反します。
入管法改正案は、参議院で徹底審議し、廃案にするよう強く求めます。
以上
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