【声明2022.10.01】小規模事業者にさらなる負担を課すインボイス制度の拙速な実施に反対しあらためて制度の即刻中止を求める
2022年10月1日
全日本民主医療機関連合会
会長 増田 剛
(公 印 省 略)
長期にわたる新型コロナウイルス感染症の対応や物価高騰等の影響により、社会全体が疲弊し、特に中小事業者や個人事業主などの小規模事業者の経営困難が続くなかで、2023年10月からインボイス制度(消費税における「適格請求書等保存方式」のこと)が実施されようとしている。
インボイス制度では、仕入れ税額控除を行うには、取引事業者から登録番号が記載されたインボイス(適格請求書)を発行してもらう必要がある。インボイスを発行するためには税務署に登録し、課税事業者にならなくてはならず、課税売上高が1千万円以下の免税事業者、いわゆる小規模事業者が事実上取引から排除されるなどの不利益を被る可能性がある。
コロナ禍で困難を極めた小規模事業者にとって、取引先を失うことは死活問題である。取引を得るために適格請求書発行事業者となれば、免税とならずに生活が圧迫され、逆に免税事業者であり続ける選択をすれば取引が減少する可能性があり、同じく生活が圧迫される。 また、新たな制度の導入にはシステム変更や実務対応が必要であり、コロナ禍で困難な状況に陥っている小規模事業者にさらなる負担を招くことは自明の理である。
インボイス制度は免税事業者にとっても、課税事業者にとっても税率変更を伴わない実質の増税政策である。
地域経済社会の発展には、地域に根ざして活動する小規模事業者の存在が不可欠である。我々の加盟事業所でも、そのような小規模事業者との取引が多く行われており、地域・事業を支えるうえで欠かせない存在といえる。
我々は小規模事業者を地域経済から締め出す現行のインボイス制度には断固として反対するものであり、改めて実施の中止を求めるものである。
以上
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