【声明2022.06.27】生活保護減額処分取り消し判決を支持するとともに、国に憲法25条に基づき生活保護制度を、直ちに改善するよう求めます
2022年6月27日
全日本民主医療機関連合会
会 長 増田 剛
東京地方裁判所(清水知恵子裁判長)は6月24日、「生活保護基準引き下げ違憲訴訟」で、国が行った生活保護減額は生活保護法に違反するとして、処分を取り消す原告勝訴の判決を言い渡しました。
この「生活保護基準引き下げ違憲訴訟」は、東京都内の生活保護利用者31人が、国による2013年10月から3年間行った生活保護費の減額について、最低限度の生活を保障した憲法25条に反するとして減額処分取り消しと賠償を求めたものです。
同訴訟の地裁判決は11件目で、取り消しは大阪地裁、熊本地裁に次ぐ3件目です。地裁段階での歴史的な勝訴判決であり、全国29都道府県の1000人近い原告がたたかっている各地の「生活保護基準引き下げ違憲訴訟」に、大きな激励となるものです。
東京地裁判決では、「デフレ調整による厚生労働大臣の判断は、その必要性及び相当性の両面において(略)、統計等の客観的な数値等との合理的関連性を欠き、或いは専門的知見等との整合性を有しないもの」で、「本件改定の結果として及ぼされる影響は重大である」として、保護減額に係る厚生労働大臣の判断の過程に過誤、欠落があると認められ、同大臣の裁量権の逸脱、濫用があるとして、生活保護法違反と認定しています。
全日本民医連は、「生活保護基準引き下げ違憲訴訟」における東京地方裁判所の判決を支持すると共に、国に対し判決を受けいれ、処分の違法を認めて控訴を断念し、速やかに減額処分を受けたすべての世帯に支払うことを強く求めます。
さらに、連続した生活保護費引下げに加え、物価高騰が生活保護世帯を直撃している実態を踏まえ、直ちに最低生活基準の底上げをはかり、憲法25条に定められた「健康で文化的な最低限度の生活」を守るよう厚生労働大臣に求めます。
全日本民医連は、誰もが健康で文化的な生活が保障されるよう、引き続き広範な人々とともに、たたかいを進める決意です。
以上
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