【声明2021.11.12】東京電力福島第一原発事故による避難者の医療・介護費用の減免措置の縮小・廃止の検討に強く抗議し中止を求める
2021年11月12日
全日本民主医療機関連合会
会 長 増田 剛
報道によると復興庁は東京電力福島第一原発事故での避難住民の医療や介護の窓口負担と保険料の軽減支援策について、段階的に縮小し廃止する方向で被災自治体と協議に入り、早ければ2023年度からの実施を検討している。
10年前の東京電力福島第一原発事故で大勢の方が避難を強いられ現在も8万人の人々が元の暮らしに戻れずにいる。故郷を奪われ長期間に及ぶ慣れない避難先での生活による身体的・精神的苦痛、生業が戻らない中で経済的な困難が広がっている。こうした避難者の実態から支援策の縮小・廃止の検討は中止すべきである。
政府は、原発事故を「アンダーコントロール」と世界を欺き復興の象徴として東京五輪を誘致、県民との約束を反故にしトリチウム汚染水の海洋放出を閣議決定するなど、原発事故を終わりにしようとする姿勢を取り続ける中で、この避難者の医療・介護費用の減免措置の縮小・廃止は福島の切り捨て政策に他ならない。
さらに原発事故の責任を取らず、反省もなしに原発の再稼働を進める政府の政策は決して許されない。
全日本民医連は政府と東京電力に対しすべての原発事故被害者の救済と福島の真の復興のための補償を行うことを求める。
これからも、私たちは原発事故被害者の不安に寄り添い続けていく。
以上
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