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声明・見解

声明・見解

【要請書】新型コロナウイルス感染症関連施策(有効・適用期間9月末)等に関する要請書

2021年7月29日

内閣総理大臣  菅  義偉 様
厚生労働大臣 田村 憲久 様

全日本民主医療機関連合会
会長 増田 剛

 新型コロナウイルス感染症は、第5波と呼ばれる感染拡大が首都東京を最大にして、全国各地に拡大しています。4度目となる緊急事態宣言は、国際オリンピック・パラリンピックの開催に突き進むなかで発せられ、国民の納得と国に対する信頼が揺らぎ、効果が半減していることは明らかです。何よりも、多くの国民が満足な保障が得られないなかでの、自粛に次ぐ自粛により経済的に困窮し、我慢の限界に達しています。
 政府には、コロナ禍における支援政策の継続及び、生活保護に至る以前の抜本的な支援策を実施するよう、以下要請します。

1.国民健康保険等における新型コロナウイルス感染症に感染した被用者に対する傷病手当金の支給に対する財政支援について
(要請事項)
 今般の第5波と呼ばれる感染拡大は、過去最大の感染数となる可能性が専門家から示されており、国保加入者が感染した場合に生活を支える制度が求められる。
 当該財政支援について、9月以降も継続し、少なくともコロナ禍が終息するまで延長すること。また、国保加入者の傷病による減収を社会的に支える恒久的な制度を整備すること。

2.医療資格者等の労災給付の上乗せを行う医療機関等への補助について
(要請事項)
 ワクチン接種が進められているが、ワクチン接種済みの医療従事者が医療機関におけるクラスター発生により院内感染している事例も発生している。当該補助については、9月以降も継続すること。

3.新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(医療分)について
(要請事項)
 当該事業について「10月以降の対応は、今後の感染状況、執行状況等を踏まえて検討する」こととされている。現在の感染拡大状況を踏まえれば、9月以降も延長が必要であることは明らかである。
 新型コロナウイルス感染症が収束するまで、当該事業を継続すること。

4.『診療・検査医療機関の感染拡大防止等の支援』及び、『医療機関・薬局等の感染拡大防止等の支援』について
(要請事項)
 今般の第5波と呼ばれる感染は、過去最大の勢いで急速に拡大しており、これまで申請していなかった医療機関にまで拡大する可能性がある。また、昨年度分を受給した医療機関および今年度分を申請済みの医療機関においても、引き続き感染拡大防止対策に要する費用が生じるのは明らかである。
当該支援制度を9月以降も延長すること。さらに、昨年度分また既に9月末までの分として既に受給または申請済みの医療機関においても、10月1日以降の支援分として、新たに申請を可能とすること。

5.一般診療に係る診療報酬上の特例措置について
(要請事項)
前述で記した通り、今般の感染状況を踏まえれば、延長が必要であることは明らかである。
依然として全ての患者の診療等に対して、感染予防策の徹底が求められている状況であり、9月以降も延長すること。

6.小児の外来診療に係る診療報酬上の特例措置について
(要請事項)
 措置を講じるにあたり「同年10月以降については、~同年度末までの規模を縮小した措置を講じること~を基本の想定としつつ、感染状況や地域医療の実態等を踏まえ、年度前半の措置を単純延長することを含め、必要に応じ、柔軟に対応する」ことと定めている。現在の感染状況を踏まえ、依然として感染予防策の徹底が重要であることは明らかである。9月以降も年度前半の措置を延長すること。

7.『新型コロナウイルス感染症への対応に係る介護報酬上の特例的な評価(基本報酬に0.1%上乗せ)』及び、『新型コロナウイルス感染症への対応に係る障害福祉サービス等診療報酬上の特例的な評価(基本報酬に0.1%上乗せ)』について
(要請事項)
前述で記した通り、今般の感染状況を踏まえれば、延長が必要であることは明らかである。
依然としてかかり増しの経費が掛かっており、現在の感染状況を踏まえれば、10月以降も同様の経費がかかることは明らかである。9月以降も延長すること。

8.『求職者支援制度の給付金の特例措置』、『住宅確保給付金の再支給』及び、『職業訓練受講給付金と住宅確保給付金との併給調整をしない特例措置』について
(要請事項)
 今般の過去最大の感染拡大が懸念される現状を踏まえれば、失業者や休業等により収入が減少し、住居を失う人が、今後新たに発生し、かつてない人数に膨れ上がる可能性すら危惧される。
 現在の感染状況を踏まえ、9月以降も延長すること。

9.生活保護の利用促進や、困窮者支援について
 今般のコロナ禍により、多くの国民が困窮するなか、生活保護受給者も過去最高となっている。民間の支援団体などが各地で行っている相談会には、経済的な困窮者の相談が大幅に増加している。このことからも、長期化するコロナ禍のもとで、生活困窮者が増加の一途を辿っていることは明らかである。
一方、日本の生活保護の捕捉率は20%程度と言われており、国際的な比較でも極めて低い数字である。この背景には、行政による「水際作戦」や生活保護に対するスティグマ等の問題がある。これらの現状を踏まえ、緊急に以下要請する。
(要請事項)
① 誰もが安心して申請ができるよう、申請窓口における違法な「水際作戦」を根絶すること。また、人権擁護を基本とした申請窓口へと対応を改善すること。
② 生活保護申請について、行政への周知徹底はもとより、テレビ、ラジオ、Webなど、あらゆる広報媒体を活用して、困窮している国民への制度利用を促すこと。
③ 生活保護に対する差別・偏見の撲滅(キャンペーンなど)に積極的に取り組むこと。
④ 生活保護の受給を望まない人を含めた困窮者が利用できる支援制度を創設・拡充すること。

以上

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