【声明2021.07.08】政府は国民のいのちを守るため、東京オリンピック・パラリンピック中止をただちに決断せよ
政府は国民のいのちを守るため、東京オリンピック・パラリンピック中止をただちに決断せよ(声明)
2021年7月8日
全日本民主医療機関連合会
会長 増田 剛
政府は、感染の再拡大が顕著となっている東京都に対し、7月12日~8月22日の期間、4度目となる緊急事態宣言を出すとともに、沖縄県に出されている宣言も8月22日まで延長する方針を決定した。併せて、千葉、埼玉、神奈川、大阪では、現在のまん延防止等重点措置を8月22日まで延長することとした。
前回の宣言解除(6月21日)後、僅か3週間足らずで緊急事態宣言を出し直さざるを得ない状況になった最大の原因は、現政権の新型コロナウィルス感染症への対策の失敗に他ならない。国民に有効な補助無く自粛を求める一方で、専門家の提案を顧みず(有観客)五輪開催を前提にトーチリレーなど関連行事を無批判に進めたこと等が国民への誤ったメッセージとなり、行動変容の最大の妨げとなり人流が抑制されず、結果として感染者が増え続けたことは明らかであり、取り返しのつかない失政である。
私たちは、あらためて、政府、東京都、組織委員会に対して、東京オリンピック・パラリンピックを中止しコロナ対策へ集中することを強く要請する。
変異株への急速な置き換わり、ワクチン接種の大幅な遅れに加えこの間明らかとなったワクチン供給の失速など感染が再拡大する環境が広がっている。
そこに五輪開催となれば、選手団、スタッフ、マスコミ関係者などの入国により感染リスクを拡げる事は自明であり、現実的に組織委員会の言うバブル方式も大会IDパス保有者(バブル内外の出入り可能なスタッフ)12人が、陽性者を発生させているなどすでに破綻している。
都民の民意、願いは明確である。先の東京都議会議員選挙の出口調査では、オリンピック・パラリンピック開催に対し、中止・延期36%、無観客開催38%、今のままの基準での有観客開催21%と3倍以上の人が中止・延期を含め今のままの開催に反対し、議席数でも五輪の中止を求めた日本共産党と立憲民主党の議席は自民党を超えた。
政治の使命は、すべての国民のいのちを守ることにあらゆる力を尽くすことである。新型コロナ感染症の感染増加は確実に死亡者を出す。4度目となる緊急事態宣言は、感染の再拡大を食い止め、いのちをまもるためのものである。
政府は、独善的で非科学的な態度を今度こそ改め、東京オリンピック・パラリンピックの中止をただちに決断することを強く求める。
以上
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