【声明2021.05.11】衆議院での75歳以上の医療費窓口負担に2割負担を導入する医療保険制度改革関連法案の採決に抗議し、参議院で徹底審議、廃案を求める
2021年5月11日
全日本民主医療機関連合会
会長 増田 剛
100万筆を超える2割化反対を求める署名の声を無視し、5月7日の衆院厚生労働委員会において、75歳以上の医療費窓口負担に2割負担を導入する医療保険制度改革関連法案が、自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党の賛成多数で可決された。
同日は、深刻なコロナ感染症が急速に拡大するなか、緊急事態宣言の延長、拡大を決定するという情勢のもとであった。当然ながら、厚労委員会での審議も殆どがコロナ対策に集中しており、法案の審議はまったく不十分である。
また、多くの医療関係団体や研究者等が医療費の窓口負担増は受診抑制を引き起こし、健康悪化を深刻化させるとの反対の声や、現役世代の負担軽減は月額30円程度にとどまり、政府の説明はまやかしである、などの指摘に対し、政府は今日に至るまで何ら説明をしていない。不誠実な姿勢のまま採決を強行した暴挙に断固抗議する。
今、政府与党が国会の厚労委員会で議論すべきことは、深刻化する医療崩壊をどうやって食い止めるか、ワクチン接種やPCR検査を拡充するための体制の構築、オリンピック・パラリンピック中止の決定、そして、コロナ禍で困窮する国民の医療を保障し、困窮者を救済することなど、コロナ対策である。
受診抑制を拡大させる2割化を推し進めるなど、国民のいのちと健康を守ることとは正反対であり、断じて許されない。
参議院において、衆議院の審議で浮かび上がった受診抑制の加速、現役世代の負担軽減の偽りなど、法案の危険性を徹底審議し、廃案を求める。
以上
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