【声明2020.12.14】新型コロナウイルス感染症の急速な拡大から国民の命と暮らしを守ることを強く求める
2020年12月14日
全日本民主医療機関連合会
会長 増田 剛
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により全国各地で重症者数や1日の最多感染者数を更新し、1日の感染者数の合計は3,000人を超える日が出ている。急激な感染拡大に伴い、全国各地の医療機関では医療提供体制が逼迫しており、医療・介護従事者たちも先が見えない中で、心身ともに限界にきている。重症患者や入院患者の病床使用率も発表されているが、現場感覚との乖離があり、現場の状況を把握しているとは到底思えない。医療機関への緊急包括支援交付金も充分ではなく、特に中小規模の医療機関は深刻な状態である。また、新型コロナウイルス感染症の対応に追われ、通常の診療にも影響が出てきている医療機関もある。今後も感染拡大が続けば、助かる命も助けることが出来なくなってしまう。
それにもかかわらず、12月8日に閣議決定された新たな経済対策では、持続化給付金や家賃支援給付金、緊急小口資金は終了し、雇用調整助成金の特例措置は来年2月末でとして、3月以降は段階的に縮小する方向が示された。一方で、Go ToトラベルやGo Toイート事業は6月末までの延長を決めている。
今年は7月以降5カ月連続で前年同月比の自殺者数が増加している。男女別にみても、女性の自殺者数の増加が続いている。全国で急速に感染が拡大する中、今国が1番にするべきことは感染拡大防止を最優先に考え、国民の命と暮らしを守ることである。
国には感染拡大防止のため、全国的にGo ToトラベルやGo Toイート事業を一時中止し、観光・飲食業への直接支援をすること、PCR検査の拡充を国の財政で行うこと、また、持続化給付金や雇用調整助成金特例措置の継続を行い、国民の生活を守ること、緊急包括支援交付金を直ちに医療機関に届け、減収補填に踏み切り、医療機関や医療従事者の支援を強化することを強く求める。
以上
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