【声明2020.12.08】大阪地裁の大飯原発設置許可取り消し判決を支持し、すべての原発廃止を求める
2020年12月7日
全日本民主医療機関連合会
会 長 増田 剛
関西電力大飯原発3、4号機の設置変更許可処分の取り消しを求めた訴訟で、大阪地裁は2020年12月4日に原子力規制委員会の判断には不合理な点があるとして処分の取り消しの判決を下した。
判決は地震動の想定に関して規制委員会の調査審議および判断過程には「看過しがたい過誤、欠落がある」と断じ、政府が「世界一厳しい」としてきた新規制基準そのものに不備があることを指摘した(別添表1より一般住宅である三友林業の家の耐震性は3406ガル。一方、大飯原発の耐震性は700ガルと極端に低くなっている。)。新規制基準の下で原発設置許可を取り消す初めての司法判断となった。不備が指摘された地震動の想定は設備に必要な耐震性を判断する根幹となるもので、大飯原発3、4号機に限らず、新規制基準を用い適合とされた国内の9原発16基についても当然設置許可の取り消しが妥当だといえる。
約10年前の3月11日の地震津波で絶対安全とされてきた原発で事故が発生し福島県や周辺の住民は避難を余儀なくされ、今も10万人もの人々が元の家に故郷に帰れずにいる。この事実を忘れてはならないし、どこの地域でも決して繰り返してはいけない。
また、従来から専門家や市民団体からは地震大国の日本での原発立地に関する危険性を指摘されてきた。国と原発を保有する電力会社はこれらの指摘を無視し、目の前の利益のために原発の再稼働を推進している。原発の危険性や安全対策の問題に目をつむり、問題を先送りにして、将来へその負担を押し付けることは決して許されることではない。
国と関西電力には大阪地裁の大飯原発設置許可取り消し判断を受け止め、控訴の断念を求める。また、原発依存の政策を見直し、すべての原発を廃止し再生可能エネルギーへの転換を実現するために、原発ゼロ基本法の制定を強く求める。
以 上
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