【声明2020.10.27】政府による福島第一原発汚染水の海洋放出決定のうごきに強く抗議する
2020年10月27日
全日本民主医療機関連合会
会 長 増田 剛
東京電力福島第一原発事故からまもなく10年が経とうとしています。しかし、いまだ故郷に帰れない人たちは10万人近くといると言われ、避難生活が長引くとともに健康状態の悪化、高いストレス、経済的困難、家族崩壊など、様々な困難が生じています。
こうしたなか「政府は今月下旬にも廃炉・汚染水対策関係閣僚会議を開き、汚染水の海洋放出を決定する見通し」との報道がなされました。報道されるや否や、反対の声が続出し、政府は今回の関係閣僚会議での決定を見送りました。
私たちは、この一連のうごきに強く抗議するとともに、海洋放出を絶対に行わないことを強く求めるものです。
この間の政府による意見聴取等でも明らかなように、福島県内の漁業者をはじめ多くの農林水産業や観光業、消費者団体、環境・市民団体などが、汚染水の海洋放出に反対・懸念を示しています。全国漁業協同組合連合会の岸宏会長は福島の漁業者が放射能汚染に苦しみ続け、本格操業にむけて血のにじむ努力をしているなか、「海洋放出となれば風評被害の発生は必至。きわめて甚大な被害を憂慮する。国民の理解が得られない海洋放出はわが国漁業者の総意として反対だ」と述べています。
また、福島県議会をはじめ福島県内市町村の7割を超える41の市町村議会でも反対や慎重な対応を求める意見書や決議が採択されています。隣接県である宮城県知事、茨城県知事も政府の説明は不十分と指摘しています。
もし、汚染水が海に流されるならば、風評被害はもとより、ようやく本格操業=全面再開を目前にしている福島県の漁業に壊滅的な打撃を与え、これまでの努力が水泡に帰すことになります。
私たちは、福島第一原発の放射能汚染水の海洋放出は絶対に行わないこと、当面、陸上保管を継続し、国内外の英知を結集して解決をはかることを求めます。
以上
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