【要請書2020.04.07】新型コロナウイルスに係る医療従事者の労災補償に関する要請書
2020年4月7日
内閣総理大臣 安倍晋三 様
厚生労働大臣 加藤勝信 様
全日本民主医療機関連合会
会長 増田 剛
今般の新型コロナウイルス感染症に対する貴職のご尽力に敬意を表します。
3月25日「新型コロナウイルスに関するQ&A(労働者の方向け)」の4労災補償において「業務又は勤務に起因して発症したものであると求められる場合には、労災保険給付の対象となります。」と示しています。これは、感染源が必ずしも特定できない場合には、労災保険の給付が適用されない可能性があることを意味しています。今後、感染がさらに大規模に拡大した場合には、医療従事者においても感染源が特定できない事例が発生し、労災保険の給付が認められない事態が発生することが推察されます。
2009年の新型インフルエンザが流行した際には、厚生労働省労働基準局労災補償部が「事務連絡平成21年5月11日新型インフルエンザに係る労災補償業務における留意点について」を発出し、「医師、看護師等が患者の診断若しくは看護の業務等により、新型インフルエンザに感染した場合には、原則として労働基準法施行規則別表第1の2第6号1に基づき保険給付の対象となること。」とし、医療従事者に対する原則給付が明示されました。
今般の新型コロナウイルスは、2009年の新型インフルエンザとは比較にならないほど、大規模に感染が拡大しており、同時に医療従事者の感染も増加しています。
全国の医療従事者は、常に自身が感染リスクにさらされながらも、地域住民のいのちを守るために、使命をもって奮闘しています。医療崩壊が危惧されるなか、医療従事者が感染しても、きちんと補償される制度を確立することは、新型コロナウイルスの収束に向けて必要不可欠です。以下の通り要望します。
記
- 2009年の新型インフルエンザの措置と同様に、新型コロナウイルス感染症に感染した医療従事者に対し、原則として労災保険の給付対象とすること。
- 1の取扱いを各労働基局、労働基準監督署及び医療機関に速やかに周知徹底すること。
以上
(PDF版)
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