【要請書2020.03.03】新型コロナウイルス感染症に係る被保険者資格証明書の取り扱いに関する要請書
内閣総理大臣 安倍晋三 殿
厚生労働大臣 加藤勝信 殿
2020年3月3日
全日本民主医療機関連合会
会長 増田 剛
今般の新型コロナウイルス感染症に対する貴職のご尽力に敬意を表します。
2月28日に厚労省通達「新型コロナウイルス感染症に係る帰国者・接触者外来の受診時における被保険者資格証明書の取り扱いについて」が発出されました。そのなかで「資格証明書を交付されている国民健康保険の被保険者は、保険料を納付することができないと認められる事情があると考えられることから、短期保険者証の交付対象となり得るところである」との見解に基づき、感染拡大防止のためにも「資格証明書を被保険者証としてみなして取り扱うこと」などが示されました。
資格証明書を交付されている国民健康保険の被保険者は、10割の自己負担が課せられる認識のもと、経済的な理由から我慢の限界まで受診を控える方が少なくありません。上記厚労省の通知が必要な該当者に伝わらなければ、引き続き受診を控える事態が容易に想定され、厚労省の通知が生かされません。さらには、受診控えによる感染拡大も引き越しかねません。手元に保険証があることが受診控えの解消に最も有効です。当該厚労省通達に「本来、資格証明書ではなく短期保険証の交付対象」とあるように、この立場で各自治体に資格証明書の被保険者への短期保険証の交付を求めて下さい。
なお、2009年新型インフルエンザ流行時の資格証明書交付世帯への自治体の対応では、2009年5月18日の厚生労働省の通知を受け、大阪府堺市、東京都町田市、北海道苫小牧市、青森県青森市、千葉県柏市などで資格証明書交付世帯に対し、短期保険証を交付した実績があります。感染拡大を防止する観点からも早急に以下の対策をとるよう要請します。
記
1 資格証明書が交付されている国民健康保険の被保険者に対し、行政から今回の取り扱いを直接説明し、直ちに短期保険証を交付するよう各自治体に対し指示すること。
2 以上の対策を確実に講じることができるよう、2020年度予算案を組み替えて、必要な財政を確保して各自治体に財政上の支援を行うこと。
以上
(PDF版)
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