【声明2017.02.10】金田勝年法務大臣の辞任、共謀罪法案の国会上程断念を強く求める
2017年2月10日
全日本民主医療機関連合会
会 長 藤末 衛
金田勝年法務大臣は、共謀罪(テロ等準備罪)法案について、「法案提出後に法務委員会で議論すべき」とする文書を法務省につくらせた。行政の立場にある者が、国会の審議に制限をくわえ、介入することは、三権分立という憲法の原則に反する許されない行為である。「予算委員会における『テロ等準備罪』に関する質疑について」と題されたこの文書は、法案提出前は国会内で議員に質疑をおこなわないよう求める内容で、批判を受けた法務大臣は今月7日、文書は撤回したものの、内容については撤回を明言しなかった。
なにより共謀罪は、犯罪の被害が生じた場合に行為を処罰するという現代の刑法の原則に反する。「話し合い・合意」を処罰することになるため、内心の自由をおかす危険がある上、何を「話し合い」「合意」とみなすのか、権力の恣意的な判断や捜査が入りこむ余地を拡大するおそれがある。さらには、権力が市民による正当な要求・抗議運動を「テロ」とみなして抑制・監視する危険も指摘されており、明確な憲法違反の法律である。
三権分立をないがしろにした金田法務大臣が、即刻辞任することでしか、正常な国会運営は実現しない。あわせて安倍政権は、市民監視、憲法違反の共謀罪法案の上程を断念するよう強く求める。
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