【声明2016.11.15】南スーダンでのPKOに「駆けつけ警護」を付与した閣議決定に抗議し、断固撤回を求める
2016年11月15日
全日本民主医療機関連合会
会 長 藤末 衛
安倍内閣は本日早朝、自衛隊がくわわっている南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)について、武力行使を可能とする新任務=「駆けつけ警護」を付与する閣議決定をおこなった。全日本民医連は、海外で自衛隊が人を殺したり、殺されたりする事態につながるものとして、この閣議決定に断固抗議する。
そもそも新任務付与の根拠となる戦争法自体、国民に「ていねいに説明する」としながら、一度もていねいな説明などおこなわれず、暴力的な議会運営をもって強行成立させられたものだった。
さらに南スーダンでのPKOは、活動の根拠そのものが崩れている。PKO5原則の1番目には「紛争当事者の間で停戦合意が成立していること」と明記されている。ところが現地では、政府側と前副大統領派の激しい武力衝突がくりかえし起きており、停戦合意など存在していない。
今年7月にも両者の間で、数百人規模の死者をともなう武力衝突が起きた。政府軍が国連関係者の滞在するホテルを襲撃した例も報告されており、自衛隊が政府軍と衝突することになれば、国家間の交戦を禁じた日本国憲法に明確に違反する。
このような現状のもとで自衛隊が新任務を遂行しようとするならば、停戦状態における「警護」どころか、武力紛争の主体となる危険が高い。
今回の閣議決定は、日本の自衛隊が、海外で1人の戦死者も出さず、殺さなかった戦後70年の歴史を破壊するものであり、断じて容認できない。
全日本民医連は日本政府に対し、新任務付与の閣議決定撤回・自衛隊の即時撤退・戦争法の廃止とともに、武力によらない紛争解決の道を国際社会と協力して模索するよう求める。
以上
(PDF版)