【声明2016.10.31】核兵器禁止条約の締結交渉開始を掲げた国連決議案の委員会採択を心から歓迎し、日本政府は本会議で賛成するよう求める
2016年10月31日
全日本民主医療機関連合会
会 長 藤末 衛
国連総会第1委員会で10月27日、核兵器禁止条約締結に向けた交渉を来年開始するとした決議案が123カ国の賛成により採択された(反対38カ国、棄権16カ国)。決議案は12月、国連総会の採択にふされることとなった。全日本民医連は同決議案の委員会採択を心から歓迎する。
今回の決議案は、核保有大国の圧力ですすまなかった核兵器の禁止・廃絶を実現するために、オーストリア・メキシコなど55カ国以上が共同提案したものである。日本の平和運動も被爆者を先頭に世界の平和運動と連帯し、核兵器の禁止・廃絶に向けて尽力してきた。今回の採択は、これらの努力が国際社会を動かしたものである。
第1委員会で核保有大国は「国際的な安全保障環境」を理由に、核兵器の「禁止は困難」で「一歩一歩減らしていけばよい」と主張し、採択に応じないよう求めたが、「歴史が示すように、兵器はそれを禁止する法的拘束力のある規範ができてのみ廃絶される」(オーストリア)「核兵器が安全を保障するというのは幻想だ」(ブラジル)などの発言があいついだ。
ところが、日本政府は「核抑止力」を掲げるアメリカ政府におもねり、決議案に反対するという恥ずべき態度をとった。ヒロシマ・ナガサキを体験し、いまなお苦しむ被爆者をかかえる日本政府が「核兵器は必要」だという立場に立つことは決して許されない。本会議で、日本政府は被爆国にふさわしく、決議案に賛成するよう求める。
核兵器は、生き残った人々をも一生にわたって苦しめ、殺すという点で、きわめて非人道的な兵器である。全日本民医連は、日本政府が被爆国としての役割をはたすよう求めるとともに、核兵器廃絶に向けた努力、運動の前進に力をつくす。
以上
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