【声明2015.06.29】百田尚樹氏の言論封殺発言に抗議し、自民党としての責任ある対処を求める
2015年6月29日
全日本民主医療機関連合会
会 長 藤末 衛
6月25日、自民党若手国会議員の勉強会「文化芸術懇話会」に講師として招かれた作家・百田尚樹氏は「沖縄の二つの新聞はつぶさないといけない」と述べたと報じられている。百田氏は、その後も「本当につぶれてほしいと思っているのは朝日新聞と毎日新聞と東京新聞」と発言するなど、発言をエスカレートさせている。また同会合では「普天間基地は田んぼのなかにあった。基地の周りが商売になるということで、みんな住みだした」などと事実をねじ曲げる発言もおこない、島ぐるみで基地撤去を求めてたたかっている沖縄県民を侮辱していることも許されない。表現を仕事にする作家でありながら、これらの発言をおこない、開き直る百田氏に抗議し、謝罪と発言の撤回を求める。
同時に、百田氏の発言は「マスコミをこらしめるには広告収入がなくなるのが一番」(大西英男衆院議員・東京16区)「福岡の青年会議所理事長のとき、マスコミをたたいたことがある。日本全体でやらなきゃいけないことだが、スポンサーにならないことが一番(マスコミは)こたえることがわかった」(井上貴博衆院議員・福岡1区)「沖縄の特殊なメディア構造を作ったのは戦後保守の堕落。左翼勢力に完全に乗っ取られている」(長尾敬衆院議員・比例近畿)など、戦争法案・辺野古新基地建設を批判する報道を敵視した自民党議員らの発言が引き出したものである。
政権党として責任ある立場にありながら、百田氏の発言を引き出し、いさめなかった議員らの言動は、国会議員の資質がないと言わざるを得ない。安倍首相は「党の正式な会合ではない」と謝罪を拒否しているが、その会合には首相側近の加藤勝信官房副長官や萩生田光一・党総裁特別補佐も参加しており、「他人事」ですまされない。
国家が戦争に突きすすむとき、情報統制がおこなわれ、表現の自由をはじめとした人権が制限・弾圧されることは、歴史が証明している。安倍政権は、国民の目・耳・口をふさぐ秘密保護法(2013年成立)に続き、憲法学者に「違憲」と指摘された戦争法案まで国会会期を大幅に延長して強行しようとするなど、民主主義破壊の政治を進めている。全日本民医連は、表現の自由と日本国憲法の精神を守り抜くために、全力を尽くす。
以上
(PDF版)