【声明2014.08.15】普天間基地県内移設、新基地建設反対の民意を無視し、名護市辺野古に新基地建設を強行する安倍内閣に抗議し、中止を求める
2014年8月15日
全日本民主医療機関連合会
会長 藤末 衛
8月14日、防衛省沖縄防衛局は、名護市辺野古への米軍新基地建設強行に向け、キャンプ・シュワブ沿岸海上の進入禁止水域のブイ設置を開始した。民意を無視して海底ボーリング調査、埋め立て開始に向けたブイの設置を強行し、抗議行動をする住民を排除して、建設を進めようとする安倍内閣に断固抗議し、中止を求める。
こうした行為は、『建白書』に示された基地県内移設反対の「オール沖縄」の意思を無視したものであり、7割以上の県民が辺野古移設に反対する中で、いっそう県民や国民との矛盾を大きく深めるものである。
しかも、安倍首相は、辺野古新基地建設を「強い意志を持って早期、着実に進める」と指示、当初の2015年度埋め立て予定を前倒しして、今年6月30日には沖縄防衛局が工事着手届出書を県に提出した。これは11月の沖縄県知事選挙を前に、辺野古への米軍基地建設を既成事実化するものであり、沖縄県民と国民の中に大きな怒りが広がっている。
すでに7月1日から建設予定地の陸域部分で既存施設の解体作業を開始し、しかも同日、安倍内閣は日米地位協定に基づいて米軍に提供している立ち入り禁止水域の拡大を閣議決定した。この水域に住民が進入した場合は、米軍施設・区域への立ち入りを禁じた「刑事特別法(刑特法)」に違反するとして、船舶停止や航路変更の指示に従わなければ逮捕も視野に入れるとしている。しかし、今回のブイ設置は、明らかに抗議行動をする住民を排除するためのものであり、日米地位協定による立ち入り制限からも逸脱する異常な事態である。
辺野古新基地には、強襲揚陸艦が接岸できるよう護岸の建設や戦闘機F35の配備などが計画され、今後100年にわたり使用できる巨大軍事基地となり、東アジアの平和をいっそう脅かすこととなる。
第二次世界大戦で、日本で唯一地上戦の惨劇を体験し、多くの尊いいのちを失った沖縄の人たちに、戦後、辺野古の海はその豊かな恵みでいのちをつないで育み、生きるすべを与えてくれた。沖縄の人たちにとって、その辺野古の海を守ることはいのちを守ることである。自然保護環境団体などからも、絶滅危惧種のジュゴンの生息環境や、珊瑚礁など自然環境への影響など、懸念が表明されている。その海を埋め立てて、戦争のための基地を建設することは、到底受け入れられるものではない。
全日本民医連は、沖縄県民との連帯を強め、辺野古新基地建設を許さない決意をあらためて表明する。9月の名護市議会議員選挙で、「海にも陸にも新しい基地はつくらせない」との公約を守って奮闘している稲嶺進市長を支える与党の過半数維持、11月16日投票の沖縄県知事選挙では、『建白書』の立場に立つ知事を実現して、戦争する国づくりへと暴走する安倍内閣に痛打を与えて挫折させ、日米両政府に普天間基地の即時閉鎖・無条件返還の決断を迫るため全力をあげる。
以上