【声明2013.11.16】社会保障プログラム法案の採決強行に抗議し、徹底審議と廃案を求める
2013年11月16日
全日本民主医療機関連合会
会長 藤末 衛
「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律案」が、11月15日の衆議員厚生労働委員会で採決された。徹底審議を求めた野党委員の声を無視する強行採決は絶対に許されない。
法律案は、政府が進めようとしている「社会保障制度改革」について、医療・介護・年金・保育の各分野にわたる国民負担増と給付削減を打ち出して、その進 め方を明示するものとなっている。2012年8月に成立した社会保障制度改革推進法では、社会保障の基本を「自助、共助及び公助が最も適切に組み合わせら れる」こととし、自助・自立と家族相互の助け合いを強調してきた。しかし、公助が十分でないために、家族相互の助け合いでは生きられなくなっている多くの 家族の「餓死」「孤立死」があとを絶たないのが現実である。社会保障への公的負担の削減は、国民生活を破壊するものである。
今回の法律案では「受益と負担の均衡」が繰り返し強調されている。負担した範囲内でのみ給付を受けられるのであれば、それは公的保険制度ではなく民間保 険と何ら変わらないものとなり、国民皆保険制度を壊すことになる。経済的弱者や低年金・無年金の状態に置かれている高齢者は、「受益」に見合う負担はでき ない。1950年の社会保障制度審議会の勧告にも示されているとおり、憲法25条は「国民には生存権があり,国家には生活保障の義務があるという意」であ る。国の公的責任を放棄して、サービス抑制と負担増を具体的に進めようとする法案には、断固として反対する。
全日本民医連は、衆議院厚生労働委員会での強行採決に強く抗議するとともに、衆議院本会議の採決に反対し、徹底審議を求める。いのちと健康をまもる社会保障を充実させるため、引き続き運動を強める。
(以 上)