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声明・見解

声明・見解

【声明2013.09.06】国連憲章を踏みにじる米国によるシリアへの軍事介入に断固反対する

バラク・オバマ大統領 殿

2013年9月6日
全日本民主医療機関連合会
会  長  藤末 衛

 米国オバマ政権は、シリアのアサド政権が首都ダマスカス近郊で化学兵器を使用し多くの人を殺害したと発表し、シリアへの武力攻撃に踏み切る考えを 表明した。しかし、アサド大統領が化学兵器の使用を命じたという直接的な証拠は示されていない。現在、国連の調査団がその実態を調査中であり、まだ報告書 は発表されていない。

 化学兵器の使用は、国際法と人道に反する残虐行為であり、いかなる理由があっても許されない。現時点でその事実も確認されておらず、国連安保理の 決議もないまま一方的に軍事攻撃することは、国連憲章と国際法を踏みにじる行為であり、全日本民医連は、米国によるシリアへの軍事介入に断固反対する。オ バマ大統領がただちに攻撃計画を撤回するよう求める。

 この事態に対し国連の潘基文事務総長は、9月3日、「あらゆることが国連憲章の枠組みで処理されなければならない」と国連憲章を守るよう求め、 「いかなる状況であれ化学兵器の使用は重大な国際法違反であり、言語道断の戦争犯罪だ」と化学兵器の使用についてきびしく批判した。さらに潘氏は、「武力 行使が合法なのは、国連憲章51条に基づく自衛の場合と安保理が認めた場合だけだ。それが国連憲章の確固とした原則だ」と米国の姿勢をきびしく批判した。
 9月3日発表の米ワシントン・ポスト紙とABCテレビの合同世論調査によると、米国によるシリアへのミサイル攻撃に反対する人は59%に上り、支持の 36%を大幅に上回った。米国が軍事介入にあたり頼りにしていた英国では、キャメロン首相が提案したシリアへの軍事介入を容認する決議案が英下院で否決さ れ、キャメロン首相は事実上、英国の軍事行動を断念した。

 このようにシリアへの軍事介入は、自国民のみならず、同盟国からも支持されていない。紛争は国外であれ、国内であれ、武力ではなく話し合いによっ て解決すべきである。シリアでは、長くつづく内戦による犠牲者は11万人を超えており、全日本民医連は「いのち」を守る医療者の立場から、一刻も早いシリ ア国内の紛争の終結と平和解決を求める。

以上

(PDF版)