【声明2013.01.22】社会保障制度改革国民会議での麻生太郎氏の不適切発言に抗議する
2013 年1 月22 日
全日本民主医療機関連合会
会長 藤末 衛
昨日の社会保障制度改革国民会議で、麻生太郎副総理兼財務相は終末期の高額医療費に関連 し、「死にたいと思っても生きられる。政府の金で(高額医療を)やっていると思うと寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらうなど、いろいろと考えな いと解決しない」「月に一千数百万円かかるという現実を厚生労働省は一番よく知っている」などと述べました。
副総理という責任ある立場の発言であり、あきらかに終末期医療を不当にターゲットにし、医療費削減をはかろうとする意図的なものです。今後の日本の社会保障制度を検討する重要な会議で、このような暴言は大臣として到底許されるものではありません。
しかも、この発言はその後撤回され、議事録から削除されています。国民会議の議論は国民に公開されるべきものです。大臣の発言は重く、削除は不適切です。議事録に正確に記載し、国民の判断材料とすべきです。
最後まで人間の尊厳を守って生きることは当然の権利です。終末期医療の在り方は、人間の尊厳を守り、自己決定権を尊重して判断されるべきで、必要十分な 医療を受けることはなんら非難されることではありません。日本の医療費は高額な薬価や医療機器・材料費にこそ問題があるのであって、人の命や尊厳を切り捨 てて医療費削減をすることがあってはなりません。
社会保障制度改革国民会議においては、麻生氏の発言を容認することなく、人権を守り社会保障を充実する立場で真摯な議論を積み重ねていくことを望みます。
- 記事関連ワード
- 社会保障