【声明2012.10.26】「核軍縮の人道的側面に関する共同声明」に対する日本政府の参加拒否に強く抗議する
2012年10月26日
全日本民主医療機関連合会
会 長 藤末 衛
10月22日、スイスなど国連加盟34カ国とオブザーバー国のバチカンにより、国連総会第 1委員会(軍縮・国際安全保障問題)において発表された「すべての国は核兵器を非合法化し、核兵器のない世界を樹立するための努力を強めなければならな い」との「核軍縮の人道的側面に関する共同声明」に対して、日本政府が参加を拒否したことは、極めて遺憾であり、強く抗議する。
共同声明は、「核兵器には人類の生存に脅威となる破壊力があり、核兵器が存在する限り、人類への脅威は残る」「いかなる状況下であっても核兵器が二度と 使用されないことが重要だ」として、このことを保証する唯一の方法が「核兵器の完全な廃絶」であることを明快に示している。
唯一の被爆国である日本こそが、核兵器の恐ろしさについて身を以て知っており、67年経った今でも多くの被爆者が核兵器の被害に苦しみ続けている。日本 政府は、日本国民と被爆者の「二度と同じ原爆による被害者を出さないでほしい」との痛切な思い、核被害の実相を世界に対して積極的に知らせ、核兵器の完全 廃絶運動の先頭に立つべきであり、その責務がある。
にもかかわらず、「我が国の安全保障政策の考え方と必ずしも合致しない」とし、アメリカの「核の抑止力」にしがみつき、国民の願いに逆行することは、断 じて許されるものではない。同時に、日本政府は原発再稼働をやめ、アメリカに対してはオスプレイ配備、相次ぐ米兵の暴行事件について強く抗議すべきであ る。
いのちや健康を脅かし、人類の生存さえ危うくする核兵器は、人道上も許されるものではなく、生存権、健康権の実現にとっても最大の脅威である。医療や福 祉に従事する私たちは、日本政府が速やかな核兵器廃絶の立場に立つことを強く求める。
日本政府の共同声明不参加に対して、核兵器の廃絶を求める世界の世論も大きな驚きと強い失望を表明している。日本政府が、即刻、共同声明への参加を表明するよう強く訴える。
以上
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