【声明2012.10.25】保険調剤にそぐわない「調剤ポイント付与」について 厚生労働省は国民・患者や保険薬局に対して「付与禁止を周知徹底されることを強く要望する
2012年10月25日
全日本民主医療機関連合会
会 長 藤末 衛
2012年10月1日より、保険調剤の一部負担金に応じてポイントを付与する「調剤ポイン トサービスを原則禁止する省令改正が施行された。全日本民医連は、わが国における保険診療が「療養の給付(現物給付)であることから、保険薬局における調 剤一部負担金に対するメリットとしてのポイント付与については、保険調剤の根幹を揺るがすものにつながることから反対すると同時に、厚生労働省は、国民・ 患者にも「調剤ポイント原則付与禁止について広く周知徹底されることを強く求める。
保険調剤において、一部負担金についてポイントをつけるというサービスが大手ドラッグストアを中心に2010年ごろから行われるようになった。厚生労働 省は、保険調剤においてポイントのような付加価値を付与することは医療保険上ふさわしくないとポイント付与を禁止することとし、当初、2012年4月から ポイント付与を禁止する予定であったが、ドラッグストアチェーンなどに周知徹底を図るため、6ヶ月延長して2012年10月から実施されることになった。
しかし厚生労働省が、汎用クレジットカードや電子マネーの支払い時に生じるポイントの付与については2012年度内をめどに検討していることから、日本 チェーンドラッグストア協会は、運用の平等性により来年3月までは可能と判断し、10月以降も調剤ポイントの付与を継続している。
保険薬局の薬剤師は、日々研鑚を積み、処方箋の調剤・薬支援の質の向上に取り組んでいる。そして、その薬剤師の保険調剤についての技術料は医療保険制度 の中で定められており、それは、患者が安心して薬物療法を受けるために必要なことである。「調剤ポイント」のように患者から値引きととらえられるような行 動は慎むべきと考える。さらに、経済的なインセンティブによる患者誘導は保険調剤上も決して好ましいものではない。
保険による医療や調剤は、一般の商品取引ではない「療養の給付であり、保険薬局が調剤ポイントを付与することと同時に、患者にとってもそれが付与される こと自体に保険調剤上で問題がある。この点を、厚生労働省は、国民・患者にも広く周知させること重要と考え、マスコミや保険者を通じて周知徹底を図ること を強く要望する。
以上
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