【声明2012.03.30】野田内閣の「消費税増税法案」の閣議決定に断固抗議する
2012年3月30日
全日本民主医療機関連合会
会 長 藤末 衛
野田内閣は3月30日午前、増税反対の多くの国民の声とともに少なくない与党内の声も無視 して、消費税増税法案の閣議決定を強行した。消費税の増税は、国民の生活や医療・福祉、中小企業の経営を破壊するばかりか、景気を一段と悪化させ、内需を 冷え込ませ、税収不足を加速し、経済も財政も破綻させる最悪の選択である。私たち全日本民医連は、野田内閣の消費税増税法案の閣議決定に断固抗議するとと もに撤回を求める。
いま野田政権がしなければならないのは住民本位の震災復興と原発事故の早期収束であり、消費税の増税を行っている場合ではない。また、非正規雇用 が年々増大し、ワーキングプアの人が1千万人を超え、生活保護受給者も戦後最大になるなど、貧困と格差がいっそう拡大している。このように国民生活は一段 と苦しくなっている。消費税増税をすることは言語道断であり、断じて許すことはできない。
そもそも、消費税は収入のない人や子どもからも税金をむしり取るもので、低所得者ほど負担の重い不公平な税金である。けっして公平な税金とは言え ず、社会保障の財源としては最もふさわしくない税金である。税金は負担能力のある人から取ることが世界の常識であり、大企業や大資産家から応分の負担を求 めるべきである。ところが野田政権の税制は、逆に大企業や大資産家には減税するというもので、国民いじめそのものである。
税制の立て直し及び社会保障の財源は、史上最大の266兆円をため込んだ大企業の内部留保の1割を還元するだけで約27兆円(消費税10%増に相 当)が生み出される。消費税を上げる必要はまったくない。さらに、軍事費や米軍への思いやり予算の削減、無駄な公共事業の削減、原発推進予算の中止、高い 薬価を欧米並みにする、大企業の法人税および大資産家への証券優遇税制を元に戻す、投機的金融取引への課税などをすることによって充分まかなえる。
私たち全日本民医連は、消費税増税の撤回、社会保障の充実を実現するために、国民的共同を広げ、ひきつづき奮闘する決意である。
以上