【談話2011.03.15】 福島第一号原発事故の新たな事態への懸念を表明します
2011年3月15日未明
全日本民主医療機関連合会
事務局長 長瀬文雄
一昨日までの福島第一原発1号機及び3号機の放射能漏れによる環境汚染、及び住民の被曝の 事態の重大性を踏まえても、昨日(3月14日)明らかになった2号機炉心の空だき状態により、燃料棒が溶け出すことを否定できない状況は、これまでとは決 定的に異なるきわめて重大な事態を迎える可能性があります。こうした事態に対して、海外のメディアや大使館は重大な関心を示しています。
高濃度の放射性物質が持続的に放散、拡散する事態について、国民、地域住民がどのように対応すべきか、国は正確な情報を提供する責任があります。
東京電力福島原発の事故について既に3日(3月12日、13日、14日)が経過するにもか かわらず、これまでの報道でこの問題を解説する専門家は、原子力工学の方たちだけです。しかし、国民、県民が真に知りたいのは、人体・生命にどのような影 響を与えるのか、どのように対処すべきかに尽きます。従って、生命により深刻な影響を与える可能性が生じた以上、緊急被曝医療の専門家、たとえば独立行政 法人放射線医学総合研究所(NIRS)の専門家がみずからマスメデイアに登場し、放射線ヨードの内部被曝が生じた場合のヨード剤の服用などについて適切な 指示・指導を行うことなども含め医学的な見解を述べる必要が有る状況と考えます。
放射線医学総合研究所のスタッフは、JCO事故を含め、世界の核被害の実状にもっとも通じている専門家であり、このような事態について発言するべき方がたです。適切な発言を強く要望するものです。
住民退避などに責任を持つ福島県の意思決定に日本の被曝医療のセンターである放射線医学総合研究所の専門家が直接、必要な助言を行うことが重要です。
以上、全日本民医連として今回の事態にあたり重大な懸念を表明するものです。
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