【声明2010.12.21】 全日本民医連は、日本政府のTPP参加に反対します
~TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加は、日本の農業を壊滅させるだけではなく、日本医療の市場化・営利化、国民皆保険制度の崩壊を招きます
2010年12月21日
全日本民主医療機関連合会
会 長 藤末 衛
日本政府は、2010年11月9日「包括的経済連携に関する基本方針」の閣議決定を行い、「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)」交渉への参加の是非を2011年6月前後に判断する旨の方向を確認しました。
上記の「閣議決定」では、「経済連携交渉と国内対策の一体的実施」の中で「主要国・地域との間での高いレベルの経済連携強化に向けて、『国を開く』という観点から、農業分野、人の移動分野及び規制制度改革分野において、適切な国内改革を先行的に推進する」としています。
こうした日本政府の基本方向に対して、特に農業諸団体からは、「TPPの参加」は、日本農業を壊滅的な打撃を与え、国民の食の安全と安定的な食料供給を根底から破壊すると反対の声があがっています。
また、このTPPの参加は、単に農業分野の問題だけではなく、菅内閣の「成長戦略」政策ともあいまって、医療・介護など社会保障の分野でも重大な影響をもたらします。
上記の閣議決定では、農業分野とともに「人の移動」として「看護師・介護福祉士等の海外からの人の移動」や「規制制度改革」として「国を開き、海外の優れた経営資源を取り込むこと(中略)非関税障壁を撤廃する」としています。
全日本民医連は、日本政府によるTPPの参加は、「日本の混合診療の全面解禁による公的医療保険の給付範囲の縮小や安全性の低下」「株式会社の医療機関 経営の参入」「医師・看護師、患者の国際的移動による医師不足・医師偏在の加速をもたらす」など日本の医療・介護に一層の市場化・営利化をもたらし、国民 皆保険制度の崩壊を招くものとして、反対するものです。
日本医師会も同様の「見解」を表明しています。私たちは、「TPP参加に反対する」すべての団体・個人と連帯してたたかうことを表明します。