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声明・見解

声明・見解

【2010.05.28】原爆症認定集団訴訟・千葉地裁(第二次)の判決について

2010年5月28日
                全日本民医連被ばく問題委員会

 原爆症認定集団訴訟・千葉第二次訴訟に関して、5月25日千葉地裁は、原爆投下後広島に入 市した被爆者の甲状腺機能低下症を原爆症と認める判決を言い渡した。これで地裁・高裁で25回の連続勝訴判決を勝ちとった。しかし白内障の被爆者に対して は原爆症と認めなかったという問題点を残した。
 今回の判決の特徴点は、「新しい審査の方針」(08年に策定され、09年に改訂)で積極認定の対象となっている甲状腺機能低下症であるにもかかわらず、 これまで認定に至っていなかったものが、今回原爆症と認定されたことである。今回の判決は、「新しい審査の方針」による原爆症認定のあり方に問題があるこ とを示したと言える。あらためて「新しい審査の方針」の認定基準やその運用について問い直し、認定行政の改善を求めていく必要がある。
 甲状腺機能低下症に関しては、「入市で相対的には被曝線量が少ないと推測される」中、「低線量で発症率が有意に高いという知見がある」という私たちの 「医師団の意見書」を積極的に受け入れたものであり、評価できる判決である。
 今回認められなかった近距離被爆者の白内障に関しては、1963年当時の原爆白内障の古典的定義にこだわり、遅発性の放射線白内障の存在を立証した最近 の医学的知見を無視した判決と言わざるを得ない。とくに最近の認定審査が白内障の認定を非常に厳しく制限していることもあり、認定審査のあり方を抜本的に 見直すべきである。
  厚労省は控訴せず、被爆者の願いに応えて、また司法の判断を謙虚に受け止め、審査のあり方そのものを抜本的に見直していくべきである。
  全日本民医連支援医師団と被ばく問題委員会は、今後も原爆被爆者の健康被害への全面的な救済のために力を尽くし、引き続き全国の被爆者とともに原爆症認定 行政の抜本的な改善、被爆者医療の充実のために奮闘する決意である。

以上

(PDF版)

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