【声明2009.06.19】海賊対処法案の衆議院での再可決・成立に怒りを込めて抗議する
2009年6月19日
全日本民主医療機関連合会
会長 鈴木 篤
自民・公明与党は本日の衆院本会議で、海賊対処法案を不当にも再議決にかけ再可決・成立させた。満身の怒りを込めて抗議する。
この法案は、海賊を取り締まることを口実に自衛隊への攻撃がなくても「海賊」に発砲するこ とを認めている。これは正当防衛ではなく、どんな理由があろうと憲法違反の武力攻撃である。また自衛隊の派兵期間や地域に限定がなく、使用される武器にも 制約がない。自衛隊が武器を使えば、他国民を殺傷し、船を撃沈させることは避けられない。自衛隊はこれまで海外で直接他国民を殺傷したことはなかった。こ れは憲法9条が歯止めになってきたからである。まさにこの法案は、憲法9条を蹂躙するものであり、断じて認めるわけにはいかない。
さらに、金子国土交通大臣は、法案が「恒久法」であり、海賊の「危険がなくなるまで」活動をつづけると述べた。これは「海賊対処」を突破口に海外派兵恒 久法の制定や憲法改悪につながるものであり、本格的な海外での武力行使に道を開くことにつながるものである。これでは、いつでも、どこへでも自衛隊を派兵 し、武力行使ができることになる。この法案は、日本を「戦争しない国」から「戦争する国」へと変質させる憲法違反の悪法であり、断じて容認できない。
あらゆる戦争政策に反対することを綱領に掲げる全日本民医連は、憲法9条違反のこの悪法を廃案にするために、平和と憲法を守る多くの人々と連帯し、ひきつづき全力をあげる決意である。
以 上