【声明2008.10.28】「新型インフルエンザワクチン接種の進め方について(第一次案)」に対する意見
2008年10月28日
全日本民主医療機関連合会
医療部部長 小西恭司
1.プレパンデミックワクチンの発生前事前接種を行うことに反対する。
今後いつ流行するかわからず、流行株と一致するのかも不明な段階で数十万数百万のレベルで接種することに反対である。接種が多数になるほど副反応の増加 が予想され、未知の副作用が大規模に発生する恐れもある。まずは試験接種の例数を増やして副反応の検証を続けるべきである。
フェーズ4の段階に入れば事情が変わり、副反応が未知ではあっても、少しでも効果の期待があるプレパンデミックワクチンの接種は開始すべきと考える。
2.新型インフルエンザ発生後のプレパンデミックワクチンの先行接種について、下記の点を要望する。
1)一般の医療機関(少なくとも内科小児科の診療をしている病院)はカテゴリーⅠに入れること
新型インフルエンザが国内流行(フェーズ4B)に入った場合、急速に患者数が増加する可能性が高い。地域の発熱患者はインフルエンザ以外にも日常的にた くさん発生しており、これらの患者を発熱外来の施設に集中させて診療するのは現実的には難しいと考えられる。結局は市中の医療施設はすべて発熱患者が来る ことを想定すべきで、新型インフルエンザ患者もそのなかに入り込む可能性が高い。
プレパンデミックワクチンは感染症指定医療機関以外の医療機関の職員に対しても、区別なく同時に速やかに行うべきと思われる。医療機関全職員への一斉の 接種が物理的に難しいならば、少なくとも内科・小児科の一般外来を行っている病院に対しては、感染症指定医療機関と同じ扱いで行うべきと考える。
2)ライフラインの維持等に関わる業種・職種は治安維持要員などと同様に優先すべきである
新型インフルエンザが流行した場合、社会不安に陥らないためにライフラインの維持・確保が重要であるが、被害想定では欠勤率が最大40%程度と見込まれ ている。警察や自衛隊、消防などと同様に、食料・輸送・電気・水道等、国民生活の維持に携わる人々への接種を優先して行い、まず社会不安を予防すべきと考 える。同時に、国民に必要な情報提供を行い、食料不足や停電・断水などの対策を講ずるべきである。
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