【声明2007.07.21】タミフル(リン酸オセルタミビル)の全ての副作用報告開示、及び添付文書緊急改定の要請
厚生労働大臣 柳澤 伯夫 殿
2007年7月21日
全日本民主医療機関連合会
会長 肥田 泰
タミフル(リン酸オセルタミビル)の全ての副作用報告開示、及び添付文書緊急改定の要請
連続するタミフル服薬時の転落死亡事例をうけて、貴省では3月24日に緊急安全性情報「タミフル服用後の異常行動について」を発出し、「10歳以上の未 成年の患者には原則としてタミフルの使用を差し控えること」とし、因果関係は否定的とする従来の見解を見直し、再調査することとしました。
しかし、4月4日の調査会を受けた貴省の対応は、「処方をA型かB型のインフルエンザと診断された患者だけを対象とする」「幼児や高齢者に比べ、他の年 代ではインフルエンザによる死亡率が低いことを考慮する」など医療機関と患者家族への注意喚起にとどまり、タミフルの有用性と安全性について踏み込んだ判 断を先送りしました。
その後4月13日指示された使用上の注意改定措置でも、「タミフルの使用を診断が確定したものに限ること。診断が確定しても全ての患者に必須ではないこ とを踏まえ、使用の必要性を慎重に検討すること。特に、幼児及び高齢者に比べて、その他の年代では死亡率が低いことを考慮すること。」という注意喚起にと どまり、その後も、タミフルに関連した副作用情報が続いています。
以上の経過等をふまえ、貴省に対し、次期シーズンに向けた緊急の対応を要請します。
要請内容
1.死亡事例など重大な副作用を未然に防ぐため、臨床現場からの副作用報告を真摯に受け止め、異常行動等の中枢神経症状はもちろんのこと、低体温や消化器症状など全ての副作用報告を開示すること。また、他の副作用リスクについても検討すること。
2.タミフルの投与による効果と副作用について、以下の二点、(1)小児のインフルエンザ脳 症がタミフルの投与により軽減できるというエビデンスの有無について、(2)高齢者のインフルエンザ発症に対して二次的な肺炎症状が軽減できるというエビ デンスの有無について添付文書へ明記すること。
以上