【緊急アピール2004.05.14】自公民「3党合意」による年金改悪法案の衆院採決強行に抗議し、参議院でのたたかいで改悪法案を廃案にさせよう
2004年5月14日
全日本民医連第4回理事会
5月11日、自公連立与党は自民・公明・民主の「3党合意」をもとに、年金改悪法案の衆院本会議採決を強 行しました。この年金改悪法案は、保険料を14年間毎年引き上げ、年金給付を15%以上カットするなど、国民に大きな負担を押しつける大変な内容です。し かも民主党との「3党合意」では、消費税増税に道を開く「年金制度見直し」が附則されました。
私たちは、公聴会も行わずに十分な審議を尽くすことなく衆院通過を強行したことに強く抗議すると共に、参議院での徹底審議と廃案をめざして、一層たたか いを広げていく決意です。
今回の自公民の「3党合意」は、「年金の一元化を含む社会保障制度全般の見直し」「保険料についても必要に応じて検討」としています。これは財界・大企 業のねらいに応え、2007年に向けて、年金や介護などの社会保障財源として消費税増税に道を開く内容です。また、衆議院でのわずかな審議の中でも問題と なった保険料の連続引き上げや給付引き下げなどの国民負担を改善・是正するものではありません。さらに、今回の「3党合意」は、国会審議のさなかに発覚し た保険料未納の閣僚、党首の責任問題を幕引きさせ、年金改悪法案の成立を急がせるものです。
自公民の「3党合意」による採決強行は、国民の年金・政治不信をさらに高めています。国民の6割が「年金法案を評価しない」、7割が「成立させるべきで ない」と意思表示しています。
しかも、はじまったばかりの参議院の審議で重大な問題点が明らかになりました。1つは、月額16900円に上限固定とされた国民年金保険料が、賃金や物 価の上昇を加味すると月額2万から3万にまで上がる仕組みであることです。2つには、年金給付は50%を維持するとした政府案が、モデル世帯の試算でも 40%まで下がることが明らかになりました。
さらに年金保険料の未納議員も日に日に増加し、100名を超えています。特に問題なのは、閣僚の7人が未納であり、年金法案をとりまとめてきた2人の厚 生労働副大臣も未納であったこと、与党として積極的に年金法案に関与してきた公明党議員が大量に未納であったことです。
マスコミでさえ連立与党の責任者などの未納問題では、「法案を白紙撤回すべき」と主張するなど、政府と与党の年金法案の提出責任が問われています。私た ちは、全国会議員の納付状況の公開を求め、未納閣僚や未納党首の辞任を強く求めます。
年金制度は、国民の老後生活にとって欠くことのできない制度です。誰もが安心して暮らせる年金制度が求められています。私たちは、国民の負担をおさえ、 財政運営や税金の使い方を見直し、大企業「減税」を見直して、最低保障年金を柱にした年金制度の改善を求めます。そのためにも年金改悪法案の廃案をめざ し、この5・6月全力で奮闘するものです。
参議院での徹底審議を求め、国会内外のたたたかいと共同し、多くの国民と共に年金改悪法案の廃案めざす運動を広げていきましょう。
全国各地で、共同組織のみなさんと職員が力を合わせ、地域や職場での学習・宣伝・対話と懇談を思い切って広げていきましょう。
この7月の参院選挙で、痛み押しつけの小泉自公政治から国民の暮らしと平和を守る政治に切りかえていくために、全力で奮闘しましょう。
以上