２００４年４月１６日
第３６期全日本民医連第３回理事会

１、昨日夜、イラクで武装勢力に拘束されていた今井さん、高遠さん、郡山さんの３名の方が、無事に解放されました。安全な救出を切に願っていた家族の方々、救出と解放を求めて行動されてきた国内外の多くの方々とともに、心より喜びあいたいと思います。
　同時に、ジャーナリストなど２名の方が新たに拘束されたと報道されており、３名の方と同様、すみやかな救出と解放を強く求めるものです。
　今回の３名の方の解放の背景には、救出を求める各地での運動が大きな力になりました。解放した武装グループも「日本国民が自衛隊派遣に反対するデモ行進 をした、だから３人を解放した。日本政府が何かをしたからではない」とのべています。
　私たち全日本民医連は、全国各地の法人・事業所でかってない救出を求める運動を進めました。宣伝行動・署名行動・集会や救出を求める要請行動、イラクの マスコミへの要請など、多くの職員や共同組織の皆さんによって取り組まれました。

２、しかし、政府与党、外務省や一部マスコミでは、拘束されていた３人の方々や家族に対して、「自己責任」論や「自作自演」論などのいわれのない誹謗・中 傷がなされています。これは、アメリカのイラク戦争に積極的に支持し、憲法を踏みにじって自衛隊派兵を進めた政府・自公与党の道理のなさを覆い隠そうとす るものであり、意図的で組織的な攻撃です。アメリカ・ブッシュ大統領に顔を向け、国民の生命をないがしろにするような政府や外務省などの言動こそ、許され ないものです。

３、イラクはいまだに全土が戦争状態です。米軍によるファルージャでの無差別攻撃では、イラク市民が６００名以上も殺害されました。米英などの占領支配へ のイラク国民の怒りは日に日に高まっています。アメリカのマスコミでも泥沼化していることを報じています。米軍による無差別攻撃を直ちにやめさせること が、国際社会の一員として日本政府に求められています。
同時に、自衛隊派兵の根拠としているイラク特措法からみても、全土が戦争状態にあるイラクでの自衛隊の活動は認められません。自衛隊員の安全や健康面から も、自衛隊は直ちに撤退すべきです。

４、私たちは、イラクの平和と復興のために、米英によるイラク占領支配をすみやかにやめること、米英占領軍に協力する自衛隊のイラクからの撤退を強く求め ます。政府は、報道機関にイラクからの撤退を勧告しましたが、こうした危険なイラクに自衛隊の派遣する条件はありません。
　イラクの平和とイラク国民の求める人道支援を進めるために、憲法学習活動と人道支援募金にとりくみ、国内外の広範な皆さんと協力して運動を進めていきま しょう。