民医連事業所のある風景 大阪 茨木診療所 2024年4月リニューアルオープン 「無差別・平等の医療と福祉の実現」をめざして
茨木診療所は、大阪府の北部に位置する茨木市内にあり、阪急茨木市駅とJR茨木駅の中間に位置し、近くには市役所、税務署、保健所などの公的機関があり、茨木神社の参道に隣接して建っています。1955年(昭和30年)に、この地域の人々が「自分たちの診療所がほしい」という運動のなかで生まれた診療所です。標榜は、小児科・内科・アレルギー科で、外来レセプト約850件・在宅レセプト約85件、常勤の医師は所長1人です。
2020年7月には公益財団法人淀川勤労者厚生協会と合同し、地域医療・介護と地域の健康増進、保険予防活動の推進をますます展開し、24年4月には地域の方々に支えられ、念願のリニューアルが終わり、3階建ての新診療所が完成しました。所長の安達克郎医師は、長年小児科医として病院勤務し、その後家庭医学を学び、08年に茨木診療所に着任しました。アレルギー特診では外来で、食物経口免疫療法をいち早く導入し、たくさんの子どもたちが除去食療法から卒業しています。また舌下免疫療法も始め、患者さんから「今年はとても楽になっています」とうれしい声も寄せられています。24時間在宅支援診療所として在宅医療にも力を入れ、茨木市内では数少ない小児の訪問診療も行っております。
そのほか、内科一般・糖尿病・循環器系・呼吸器系・消化器系の疾患や漢方治療などにもベテランの非常勤医師が診察にあたっています。コロナ禍では早くから発熱外来を実施し、安達所長を筆頭として、「断らない」を合言葉に奮闘してきました。無料低額診療事業の実施や診療所に通いづらいという方への無料送迎も運行し、「0歳から100歳まで診られる家庭医学の診療所」「なんでも相談できる頼りになる診療所」をめざして職員一同、一丸となってがんばっています。
また訪問看護ステーション「さくら」・居宅介護支援事業所も同じ建物内にあり、日々連携を取りながら、医療・介護相談に応じています。3階には健康増進センターがあり、地域の方々の交流の場となっています。友の会活動を中心としてサークル活動やさまざまな行事も行っています。
24年11月24日には診療所玄関前に大阪府初の「九条の碑」建立が決まっています。日本国憲法第九条の条文と平和の象徴である鳩、民医連綱領を刻み、「戦争は二度としてはいけない」「九条を守らなければ」との強い意志を持って、後世に伝え続けていかなければいけないと思っています。
25年3月には診療所70周年・友の会結成30周年を迎えます。「いつでも、どこでも、誰もが安心してよい医療と福祉を」受け続けられるよう、医療・介護を通じて、地域の方々のお役に立てることをめざし、「茨木診療所があってよかった」と言ってもらえるように、地域に根差してこれからもがんばっていきたいと強く思っています。
(茨木診療所 事務長 垂井知子)
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