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民医連事業所のある風景 茨城 ケアハウスみと 地域としっかりつながるケアハウスをめざして

今年で28年目

 社会福祉法人翠清(すいせい)福祉会軽費老人ホームケアハウスみとを紹介します。1996年2月茨城県水戸市に鉄筋5階建て40室、在宅支援センターとデイサービスを併設してオープンしました。今年で28年目を迎えています。2000年の介護保険開始と同時に訪問介護、居宅支援事業と配食サービスを開始し、在宅系サービスを集中させた展開をしてきました。比較的介護の初期相談からかかわり始めることが多いことが特徴でしたが、近年では高齢者介護の相談だけにとどまらないことも多く、在宅にあるさまざまな諸問題にも対応できるようにと、21年からは定期巡回と障害訪問介護も加えた8事業を展開するよう整えています。
 また地域に開かれた施設として、過去の災害経験から地元町内会と災害時協定を結び、行政との間では災害時福祉避難所としての重責役割も受託しています。当法人の特徴でもあります、後援会組織友の会会員の皆さんにも支えていただきながら、ボランティア、総合事業における住民主体サービスも模索し、ともに支え合う地域づくりをめざしています。

生活を整え、晩年を楽しんで過ごしてもらう

 「ケアハウスは自立している人が入居する施設」という概念を持っている人が多いと思いますが、実態は必要な外部支援サービスを受け入れながら、ゆるやかなフレイルを受け止めつつ、可能な限りケアハウスでの生活を続けられるよう見守りと支援の目を増やして過ごしてもらっています。介護保険サービスの活用は、本来の目的である介護予防のためにも推奨し、社会参加を促し、複数の職員の目で変化に気づき、確認する体制づくりをすすめています。入居を決断した最も多い理由は、一人でいることへの不安です。本人はもとより家族にも、入居は大きな安心材料になっているようです。ほかにも経済的負担が少ないこと、食事の安定供給、服薬管理など、自宅では複数あった困りごとが解消でき、本人の生活と健康を安定させるに至った事例は少なくありません。精神科病院長期入院から入居した人は、軽度の認知症も疑われていましたが、生活が整い回復していく経過状況を見ることができました。過去の知人との交流が復活し、3年目にはケアハウス自治会代表世話人を務めていただくなど、晩年をもう一度輝かせるお手伝いができたことは支援者にとって大きな励ましとなりました。
 別の入居者は、毎日ケアハウス前の横断歩道で小学校帰りの子どもたちの立哨当番に立っていました。進行する病気が見つかり、無理なさらずにと声をかけても、「自分の生き甲斐だよ」と子どもたちとの日々の交流を楽しんで続けながら晩年を過ごしました。
 高齢者施設に入られる理由はさまざまですが、加齢に伴う不安が増していく人たちを支援する在宅サービス集団である職員の視点とかかわり連携を大切にして、地域としっかりつながるケアハウスを今後も支援したいと思います。  
(ケアハウスグループ統括責任者 早瀬 努)