民医連事業所のある風景 長野/生協総合ケアセンターみのわ このまちで その人らしく生きるを支える
1990年に箕輪町に診療所を開設し、上伊那医療生協の歴史が始まりました。30年が過ぎ、現在ではこの地域に介護事業所や就労支援事業所など24事業所を展開しています。
病気を抱えていても、障がいがありながらも在宅生活を支える地域ができつつあります。しかし一方で医療ケアが必要な患者や、終末期が近い状況となった患者が家に帰りたくても不安が大きかったり、対応できるサービスがなかったりといった理由で自宅での生活をあきらめる人もいました。
そのようななか、箕輪町の第7期介護事業計画に「看護小規模多機能型居宅介護」が盛り込まれました。今まで町との懇談を継続し、地道に働きかけてきた組合員の願いが実ったものです。
今までも私たちは在宅を支援する訪問系サービスを充実させ、かかわるスタッフはケア・技術の質を向上すべく切磋琢磨して、上伊那8市町村でのシェア率は訪問看護・訪問リハともに40%となっており“なくてはならない事業所”となっています。在宅サービスを支えてきた訪問・通所の経験を、看護小規模多機能事業に生かすことができるのも私たちの強みでした。
箕輪町の委託を受け21年3月に「看多機ふうりん」を立ち上げ、それに伴い「生協総合ケアセンターみのわ」も開設となりました。
1.生協総合ケアセンターみのわの紹介
当センターには訪問看護ステーションみどり本所・デイサービスつむぎ・生協ケアプランセンターみどり・生協病院訪問リハビリ・生協ヘルパーステーションみどりみのわ支所と看多機ふうりんが事業を構えサービスを展開しています。
センター開設前は上伊那生協病院に隣接した建物で各々事業を展開していたため日常的に顔を合わせ、連携するという機会は限られていました。
2.センター化でのメリット
①なんといっても日常的な連携
各事業所のスタッフが日常的に活発な連携ができるようになりました。
②念願の寝浴
寝浴を導入し、どのような人の入浴も対応できるようになりました。デイサービスでは今まで入浴対応が困難になると事業所を変わってもらっていましたが、入浴設備が充実したことで最期まで人生に寄りそうことができた事例も生まれています。看多機ふうりんとデイサービスつむぎでの浴室は共有となっているため効率的な人員体制で協力し合い入浴希望に応えています。
③タスクシェア・タスクシフトで困難を乗り越えて
開設して何度か人員不足(療休・コロナ対応でのお休みなど)が発生しましたがセンター内の各事業所から職員の支援をもらい、乗り越えることができました。ふうりんとつむぎは日常的に送迎やレクリエーション場面で協力し合っています。
看多機ふうりんでは21年3月の開設後、8人の看取りに立ち会いました。今後も地域に根差し、物語られるいのちの実践をセンター全体でとりくんでいきたいと思います。
(生協総合ケアセンターみのわ 事務局長 小山 奈緒)