民医連事業所のある風景 東京/全日本民医連第45回定期総会 コロナ禍、全国の職員の拠り所に
全日本民医連事務局は、規約第一条にもとづき東京都内に置かれています。現在は、文京区の湯島(その前は新宿)、JR御茶ノ水駅(中央線、総武線)、地下鉄丸ノ内線御茶ノ水駅、地下鉄千代田線新御茶ノ水駅、都営バス湯島四丁目などが最寄りとなっています。東京、新宿、上野の各駅まで20分程度と全国の県連から集まるには便利な場所で、国会までは地下鉄一本で20分程度です。少し歩くと、上野、秋葉原、御徒町、神田、神保町など、路地に入ればややディープな感のまちも散策できます。
事務局が入っているのは「平和と労働会館・公益財団法人全労連会館」。全労連、日本原水協、いの健センター、国民救援会などと同居しています。6階に全日本民医連厚生事業協同組合・民医連退職者慰労会連絡協議会、7階に全日本民医連事務局、8階に保健医療研究所、退職者慰労会、会議室があります。
全労連会館から御茶ノ水駅をはさみ「連合会館」「9条壊すな実行委員会」があり、総がかり行動実行委員会、市民連合、市民と野党の共闘がつくられたのも共闘の努力とこの地の利とは無関係ではないと思います。
全国の拠り所
コロナ禍になる前は、毎月第一週に四役会議、第三週に四役会議、理事会、各専門部会、各種委員会、全国会議がここを拠点に、多いときで全国の事業所から数百人の職員、共同組織の方々が入れ替わり、立ち代わり出入りし、民医連運動のエンジンとしてみんなで侃々諤々全国の教訓を学び、方針をつくり上げてきました。
近隣には、民医連を応援してくださるたくさんの飲食店があり、会議が時間切れとなった場合はそこで続きをし、顔を合わせ、話し合い、悩みをぶつけ、なんだかわからないけれども元気になり、また現場に戻り、そしてまたここに集う日々でした。
コロナ禍の試練
2020年2月の第44回定期総会を熊本で終え、事務局一同が東京に戻ってくる途中から、コロナ禍に直面することになりました。東京、埼玉在住の四役はそれでも事務局に駆け付け全国をWebで結び、会務を執行してきました。
事務局には役員以外に全国の県連から出向している職員、全日本民医連直接採用の職員がいます。一人ひとりが、第一線の現場のことを思いながらも、しんどかったと思います。コロナ禍の恐怖と不安、家族や子どもたちへの負担、すべてに及ぶ行動制限にとまどい、ときには押しつぶされそうになりながら、理事会の会務を止めないことに努力をしてくれました。何があるかわからないなかで、多くの常駐役員は「船を降りるのは一番最後に」と決め、会長と団結してやってきました。
2月25~26日行われた第45回定期総会は、全国からどんな状況でも「まず診る、援助する、何とかする」と民医連魂で受療権を必死で守ってきた最高の笑顔が画面越しにあふれました。「民医連でよかった」クラスターを乗り越えた事業所から寄せられる共通した言葉です。二度とコロナの前の社会に戻してならない、人権と公正を掲げ、いのち優先の日本にしていく歩みもまた、この湯島の事務所からはじまっています。
(全日本民医連 事務局長 岸本 啓介)