民医連事業所のある風景 山梨/共立介護福祉センターいさわ 地域の大きな期待を受けて 安心して暮らし続けられるまちづくりの支援拠点として誕生
共立介護福祉センターいさわは、障がいや認知症があっても誰もが安心して暮らし続けられるまちづくりの支援拠点として、健康友の会や住民のみなさん、多くの職員からよせられた寄付金(総額1000万円・911件)と大きな期待を受けて2020年4月に開設しました。オープン当初は、コロナウイルス感染症への対応に苦慮しましたが、職員一丸となり、ひとりの感染者も発生させることなく今日まで来ることができました。
看護小規模多機能型事業所の新規依頼は、地域のケアマネジャーをはじめ、包括支援センターそして利用者や家族から、「あそこ(いさわ)の職員は丁寧にケアをしてくれる。行くと元気になる」と口コミが広がり稼働率は100%です。
自分で決めたその人らしい生活を支援
暮らしのなかの療養生活支援は、もはや家族がいないか、家族の介護力をあてにすることができなくなっています。在宅療養生活に向けてチャレンジしたけれどうまくいかず、結局「やっぱり在宅は無理だよね」「もうこれ以上家族には迷惑をかけたくない」と後ろ向きになってしまい、療養生活が難しくなってしまうことが多くあります。100人いたら100通りの介護があり、介護の向き合い方もさまざまです。家族のなかでも立場が違えば思いは異なります。だから明確な答えはありません。看護小規模多機能事業所(まいほ―むいさわ)では、まず困ったことを24時間の生活軸で訪問看護師、介護職員、リハビリ職員、ケアマネジャー、主治医そして家族、本人の多職種で評価します。本人のできることを「生活から増やそう」「本人が主体的に生きる力を取り戻そう」を目標に掲げ、利用者と相談しながら必要な支援が必要な時間に「訪問してもよし」「通ってもよし」「泊まってもよし」「家にいてもよし」「訪問看護」「訪問リハ」を柔軟に組み合わせて、きめ細やかに支えます。まいほーむいさわの利用者は、「病気や障がいを背負うと不便なことは多いが不幸ではない、好きなように生きていければそれが一番」と語ります。これからの時代は、医療も介護も生活の質向上を基本とする考え方や利用者の24時間365日生活と向き合う介護・医療体系が必要です。
地域に張り出したステーションに育っていきたい
共立介護福祉センターいさわは医療・介護を受ける人を待っているだけではなく、予防や健康に役立つとりくみをすることで、センターとしての存在価値を高めていきたいです。今後は5つの事業所(たんぽぽ訪問看護、居宅事業所、訪問介護 ほほえみ訪問看護 まいほ―むいさわ)が、1つの建物のなかだけで展開するのではなく、この地域になくてはならない、地域全体に張り出したサービスとして育っていきたいです。今以上に住みよいまちづくりを、姉妹法人である石和共立病院、御坂診療所、御坂歯科診療所、あすなろ薬局との協働ですすめていきます。無差別・平等の地域包括ケアシステムの実現に向けて、住み慣れた地域で暮らし続けられるしくみづくりを構築していきます。
(共立介護福祉センター センター長 井上みどり)