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くすりの話

くすりの話

くすりの話 認定薬剤師

執筆/和田 憲周(大阪・泉州メディカ、薬剤師)
監修/野口 陽一(全日本民医連薬剤委員会、薬剤師)

 読者のみなさんから寄せられた質問に薬剤師がお答えします。
 今回は認定薬剤師についてです。

 医療が進化し高度化する中で、薬剤師として活躍していくためには、常に最新の知識が求められます。日々自己研鑽することは必須であり、「認定薬剤師」は最新の医療や薬学の知識と技術を有し、実力を客観的に認められた証しとして機能しています。
 薬剤師認定制度認証機構(CPC)が認定する認定薬剤師制度は、①生涯研修認定制度、②特定領域認定制度、③専門薬剤師認定制度の3つに分かれます。

①生涯研修認定制度

 生涯研修認定制度は、薬剤師が最新の情報や知識、技術を習得できると認められた研修に参加し、単位を一定数取得することで認定されます。継続して受講する必要があり、更新もあります。それぞれの特色を持った研修機関が複数存在し、なかでも日本薬剤師研修センターは薬剤師の中で広く認知されています。
 研修認定薬剤師の取得は、薬剤師全員が目指すべきものであり、次のステップである特定領域認定制度や専門薬剤師認定制度を目指す際に必須となります。また、薬の専門家として患者さんの相談に応じる「かかりつけ薬剤師」になる要件の一つでもあります。

②特定領域認定制度

 特定領域認定制度は、特定の分野・領域において高度な専門知識や技術を習得した薬剤師を認定する制度です。
 私自身が取得している「漢方薬・生薬認定薬剤師」(日本薬剤師研修センター)もその一つで、定められた研修を受講して試験に合格する必要があります。ちなみに特徴的な研修として、薬用植物園での実地研修も含まれます。
 その他、がんの終末期医療に関わる「緩和薬物療法認定薬剤師」や小児医療に関わる「小児薬物療法認定薬剤師」、在宅医療に関わる「在宅療養支援認定薬剤師」など、多くの認定制度があります。

③専門薬剤師認定制度

 専門薬剤師認定制度は、特定の疾患・診療領域を対象に薬学的な専門知識を活かして、チーム医療や地域医療などに貢献できる能力を認定する制度です。
 私自身も「外来がん治療専門薬剤師」(日本臨床腫瘍薬学会)を取得しました。取得には、薬局が病院と連携するための実践的な知識や経験が必要とされています。外来でがん治療を受ける患者さんや家族のために、指導やカウンセリングを提供する役割も担っています。

◎「いつでも元気」連載〔くすりの話〕一覧

いつでも元気 2024.6 No.391